医療が病いをつくる

免疫からの警鐘

医療が病いをつくる
著者 安保 徹
ジャンル 書籍 > 単行本 > 医学
書籍 > 自然科学書
刊行日 2001/11/27
ISBN 9784000221139
Cコード 0047
体裁 四六 ・ 上製 ・ カバー ・ 264頁
在庫 品切れ
腰痛,アトピー性皮膚炎から胃潰瘍,糖尿病,癌まで,なぜ病いはなかなか治らないのか.また,難治化するのか.著者は,治療の根本的な間違いが病気を悪くし,医療費の高騰を招いている現実を指摘.病気の成り立ちや薬の作用を,免疫学の立場から解明し,病気にかからないようにするにはどうしたらよいのかアドバイスをする.免疫学の最先端をいく著者による現代医療批判.

■著者からのメッセージ

安保 徹
 せっかく病院に行ったのになかなか治らない病気があります.1年,2年と経つうちに前よりもかえって病気が悪化して困っている人たちもいます.
 医療はずいぶん進歩したとはいうものの,この中に間違った治療法が紛れ込んでいることがあるからです.その例として,アトピー性皮膚炎にステロイドを塗る治療や,腰痛に痛み止めを使う治療などが挙げられます.身に覚えのある人も多いでしょう.
 また,痛み止めは「消炎鎮痛剤」とも呼ばれますが,どんな痛みにも効くわけではありませんし,使い方を誤るとかえって症状を悪化させてしまいます.これを顆粒球(膿をつくる白血球)の炎症にまで使用すると,潰瘍性大腸炎やクローン病の患者を破綻に陥れてしまうことになります.
 このように本書は,生体のメカニズムを理解しない誤った治療や薬の処方を厳しく批判するものですが,しかし内容は単なる批判に止まるものではありません.病気の成り立ちや薬の作用を免疫学の立場から説き明かし,病気にかからないためには,またかかったらどうしたらよいのか,いろいろとアドバイスをしたつもりです.
 多くの症状は私たちにとって不快なものではありますが,壊れた組織を修復しようとする大事な反応であることが多いのです.発熱,発疹,痛み,下痢など,いずれもそうです.無理やりこの反応を止めようとすると症状の悪化と対症療法のシーソーゲームになります.実は治療に失敗する原因もここにあるのです.
 ぜひこの本で正しい医学観を身につけていただきたいと願っています.自分の健康は自分で守るという姿勢が必要です.また西洋医学であれ東洋医学であれ,医療関係者にとって本書のメッセージは明るい未来を期待させるものと言ってよいと思います.(あぼ とおる)
1947年生まれ.東北大学医学部卒業.現在,新潟大学大学院医歯学総合研究科教授(国際感染医学講座 免疫学・医動物学分野).
米国アラバマ大学留学中の1980年に「ヒトNK細胞抗原CD57に対するモノクローナル抗体」を作製.1989年,胸腺外分化T細胞の存在を発見.1996年,白血球の自律神経支配のメカニズムを初めて解明.1999年,マラリア感染の防御が胸腺外分化T細胞によって行なわれることを突き止める.2000年,100年来の通説,胃潰瘍=胃酸説を覆す顆粒球説を米国の専門誌 Digestive Diseases and Sciences に発表し,大きな衝撃を与える.国際的な場で精力的に研究成果を発表し続け,免疫学の最前線で活躍.著書に『未来免疫学』『絵でわかる免疫』など.

書評情報

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文化連情報 2002年7月号
看護 2002年6月号
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