沖縄戦下の米日心理作戦

太平洋戦争中の宣伝ビラや宣伝新聞は,どんなものが,どのように作成されたのか.効果は?写真・図版多数.

沖縄戦下の米日心理作戦
著者 大田 昌秀
ジャンル 書籍 > 単行本 > 歴史
刊行日 2004/12/15
ISBN 9784000223812
Cコード 0021
体裁 四六 ・ 上製 ・ 382頁
在庫 品切れ
太平洋戦争末期の沖縄戦では,宣伝ビラを読んで助かった人もいれば,所持しただけで殺された人もいた.一枚の「紙爆弾」が文字どおり,生死を分かったのである.本書では,心理作戦の実際について,自らの経験も折り混ぜながら,具体的かつ詳細にまとめる.宣伝ビラや宣伝新聞の数々,ビラ作成風景の写真など,貴重な図版を多数掲載.【カラー口絵付】

■本文より)

・・・対敵心理作戦は,相手のそれに比べその優劣の如何にかかわらず,それを実施してゆけば,際限なく永続的な対敵関係を作り出してしまい,あげくは人種戦争を再現させるだけで,異国間の国民同士の融和をもたらすことは不可能ということになる.したがって,沖縄戦における日米双方の心理戦争から学ぶ所以は,もはや国際間の対敵心理作戦の技法や内容についての巧拙いかんの問題ではなく,心理作戦の対象を人類共通の敵ともいうべき戦争そのものに向けるべき時期にきている,と言えるのではないだろうか.
大田昌秀(おおた・まさひで)
1925年沖縄県に生まれる.1954年早稲田大学卒業後,米国シラキュース大学大学院修了.社会学(ジャーナリズム)専攻.琉球大学法文学部教授を経て,1990-98年沖縄県知事.現在,大田平和総合研究所主宰,参議院議員.
主な著書は,『沖縄の民衆意識』『沖縄のこころ』『近代沖縄の政治構造』『沖縄人とは何か』『総史沖縄戦』『沖縄 平和の礎』『沖縄の挑戦』『沖縄の決断』『醜い日本人』『沖縄差別と平和憲法』など多数.

書評情報

週刊エコノミスト 2005年6月14日号
東京新聞(朝刊) 2005年2月6日
琉球新報(朝刊) 2005年2月6日
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