広告論講義

“広告”という窓から時代と社会を見つめ続けてきた著者の,卓見とセンスが光る20世紀的広告論講義.

広告論講義
著者 天野 祐吉
ジャンル 書籍 > 単行本 > 経済
刊行日 2002/08/27
ISBN 9784000228251
Cコード 0033
体裁 四六 ・ 上製 ・ カバー ・ 232頁
定価 1,980円
在庫 在庫あり
広告-これこそが,大衆消費社会だけでなく,人類の大量殺戮をも引き起こした奇怪なる20世紀を牽引し,そのイメージを絶えず切りひらいてきたのだ.“広告”という窓から時代と社会を見つめ続けてきた著者が,その魅力と怖さ,本質と未来について初めて語る.冴え渡る天野節-卓見とセンスが光る,20世紀的広告論.

■著者からのメッセージ

天野祐吉

 2000年から2001年にかけて,明治学院大学の国際学科で,広告論の講義をしました.この本は,その講義録に手を加えて1冊にまとめたものです.
 だからまず,ぼくに講義をするようにすすめてくれた同大学の加藤典洋さんと,ぼくの講義に熱心につきあってくれた学生のみなさんにお礼を言いたい.
 それから,「広告批評」という雑誌づくりの場で,一緒に広告を考えつづけてきた島森路子さんと編集部の面々,それに,おしゃべりや本を通じてまわりから知的な刺激を与えつづけてくれた先輩や友人たちにも,この際,心からお礼を言いたいと思います.…
 思えば,1950年代の終わりからいままで,半世紀近く広告とつきあってきたぼくの,これは広告についてのささやかな決算報告,いや,決算広告みたいなものです.
第1講 パリ万博 ――欲望のビッグバン
広告の世紀/“事物教育”の広場/広告は何を売るのか/ぜいたくの民主化/“夢の御殿”の終焉


第2講 南極探検隊員募集 ――未知への誘惑
未知への扉/大移動の世紀/コピーの魔術/広告の神話づくり

第3講 エンゼルと福助 ――消費者の登場
商標の登場/顧客から消費者へ/信用を売り差異を広告する/生きている商標
 

第4講 T型フォード ――民主主義を広告する
自動車の父/民主主義のシンボル/話題になるということ/広告をつづけるということ

第5講 ヒトラー ――ナショナリズムを売る
危ない商品/演説の秘密/“声”というメディア/説得と扇動


第6講 スモカ歯磨
      ――差異化のパイオニア
新しい時代の広告術/リアリストの目/差異化とは何か/センスで差異化する


第7講 フォルクスワーゲン ――裏返しのステータス
アメリカ文化へのカウンター・パンチ/モノからイメージへ/“リトルマン”のクールなケンカ/広告の批評性

第8講 アンクルトリス ――インテリげんちゃんの出現
新中間層の登場/アンクルトリスの誕生/同時代に語りかける

第9講 NASA ――地球を広告する
冷戦下の広告戦/“地球人”の誕生/“クール”なテレビ/商品の向こう側

第10講 ハングリー? ――21世紀への送り状
2つのハングリー/飽和した物質文明/“いま”に共振するセンス

補 講 広告の明日 ――20世紀は終わったのか
変わらぬ戦争宣伝/身の丈サイズの社会/広告の明日/20世紀的広告の終わり

おわりに

書評情報

南日本新聞(朝刊) 2003年3月9日
読売新聞(朝刊) 2002年12月22日
日本経済新聞(朝刊) 2002年12月8日
週刊東洋経済 2002年11月16日号
ダ・ヴィンチ 2002年11月号
読売新聞(朝刊) 2002年10月20日
西日本新聞(朝刊) 2002年10月20日
朝日新聞(朝刊) 2002年10月13日
コマーシャル・フォト 2002年10月号
電通報 2002年9月23日号
毎日新聞(朝刊) 2002年9月1日
ページトップへ戻る