構造改革と日本経済

「将来への不安」を払拭し,イノベーションと需要創出の好循環に支えられた新たな経済社会への道筋を示す.

構造改革と日本経済
著者 吉川 洋
ジャンル 書籍 > 単行本 > 経済
刊行日 2003/10/09
ISBN 9784000228367
Cコード 0033
体裁 B6 ・ 上製 ・ カバー ・ 182頁
在庫 品切れ
「構造改革」とはいったい何か.何を目指し,どのような結果が待っているのか.前著『転換期の日本経済』で「失われた10年」の本質を「需要不足」であると喝破した著者が98年以降の日本経済に鋭いメスをいれ,「将来への不安」を払拭し,イノベーションと需要創出の好循環に支えられた新たな経済社会への道筋を示す.

■著者からのメッセージ

戦後長い間順調な成長をつづけた日本経済は,1990年代の初めに「バブル」が崩壊すると暗く長いトンネルに入ってしまいました.失業や自殺者も増え,社会全体がどこか元気をなくしてしまったかのようです.この間,新聞のアンケートでは「経済」「景気」が常に人々の最大の関心として挙げられてきました.
 「失われた10年」は何故失われてしまったのでしょうか.本格的な景気回復,つまり持続的な経済成長を生み出すためには,われわれは何をなすべきなのでしょうか.そもそも経済成長は何故必要なのでしょうか.本書はこうした問いに答えようとするものです.とりわけ,キー・ワードである「構造改革」とは一体どのような意味を持っているのか,この点についてわたしの考え方を分りやすく説明しました.
まえがき

第1章 日本経済の現状
1 はじめに
2 失業
3 デフレーション
付論 失業率の変化

第2章 なぜ10年は失われたのか?
1 需要か供給か?
2 不良債権処理の遅れ
3 不確実性・リスクと「悪い均衡」
4 逆風下の産業調整

第3章 経済成長の源泉
1 少子高齢化と経済成長
2 技術進歩と需要

第4章 構造改革とは何か?
1 需要創出型の構造改革
2 構造改革は「弱者」の切り捨てか?

第5章 何をなすべきか?
1 成長は必要か?
2 「不安」を打ち消す――経済再建の大前提
3 イノベーションと需要の好循環
付論 持続可能な年金制度

参考文献
あとがき
吉川  洋(よしかわ ひろし)
1951年生まれ.74年東京大学経済学部卒業後,イェール大学大学院に進む(Ph.D.).ニューヨーク州立大学,大阪大学を経て,現在東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授,内閣府経済財政諮問会議民間議員.専攻はマクロ経済学.主な著書に,『マクロ経済学研究』(東京大学出版会,1984年,日経・経済図書文化賞,サントリー学芸賞),『日本経済とマクロ経済学』(東洋経済新報社,1992年,エコノミスト賞),『ケインズ』(ちくま新書,1995年),『高度成長』(読売新聞社,1997年),『転換期の日本経済』(岩波書店,1999年,読売・吉野作造賞),『現代マクロ経済学』(創文社,2000年),『マクロ経済学 第2版』(2001年,岩波書店)など.

書評情報

経済セミナー 2004年4月号
国際税制研究No.12 2004年4月号
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週刊東洋経済 2003年12月20日号
週刊ダイヤモンド 2003年12月20日(新年特大号)
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