疾走12年 アサノ知事の改革白書

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浅野史郎ほど爽やかに筋を通す人物を知らない.彼の知事としての12年は地方の在り方だけでなく日本の進路にとって示唆的である. 寺島実郎(財団法人 日本総合研究所会長)

著者からのメッセージ

浅野史郎
 知事の仕事とは,ほんとのところ,どんなものなのか知りたい人も,知事だった人から「こういう仕事をしました.こんな業績を上げました」という自慢話は聞きたくないだろうと思います.どういう人間が,何を考え,何を感じて,知事業を営んでいたのかなら,少しは興味があるのではないでしょうか.
 知事も生身の人間ですから,怒るべき時には怒り,喜ぶべき時には喜び,嘆くべき時には嘆きながら,知事を務めているのです.この本を読んでいただいて,私の知事業12年間の,怒り,喜び,嘆きに同感していただかないまでも,「うん,わかるよ」と感じ取っていただけたら,著者としてはこんなうれしいことはありません.そんな想いでこの一冊を書き上げました.



著者略歴

浅野史郎(あさの しろう)
1948年2月生まれ.宮城県仙台市出身.慶應義塾大学総合政策学部教授.1970年,東京大学法学部卒業後,厚生省に入り,社会局老人福祉課課長補佐,在米日本大使館一等書記官,年金局企画課課長補佐を経て,北海道庁福祉課課長.厚生省生活衛生局企画課課長などで23年7カ月務めた厚生省を退職し,1993年宮城県知事選挙に出馬,当選.1997年,再選(第2期).2001年,再選(第3期).2005年11月20日,任期終了にて知事職を勇退.3期12年の知事職退任後は,宮城県社会福祉協議会会長,東北大学客員教授,社団法人日本フィランソロピー協会会長などを務める.趣味はジョギング.
著書に『豊かな福祉社会への助走』(パート1・2,ぶどう社),『誰のための福祉か ― 走りながら考えた』(岩波同時代ライブラリー),『政治の出番』(共著,日本経済新聞社),『民に聞け』(共著,光文社),『福祉立国への挑戦 ―ジョギング知事のはしり書き』(本の森),『知事が日本を変える』(共著,文春新書),『アサノ知事のメルマガ』(ぶどう社),『アサノ知事のスタンス』(同)などがある.


目次

はしがき
第1章 私が知事を辞めたわけ――57歳転職最後のチャンス
  4選不出馬を決意/知事という特権の魅力/重圧からの解放/知事の一日/回転寿司を平らげるような
第2章 組織スキャンダル――情報公開に聖域なし
  食糧費の不適正支出をめぐる住民訴訟/トップの判断で組織一丸となって処理/組織の論理と不祥事/情報公開から情報共有へ
第3章 選挙は楽し――基盤なし借りなしで3選
  決断するまでの苦悩/出馬を決断/県民の想いを裏切れない/再選選挙―政党・団体の推薦を拒む/100円カンパで一人ひとりが主役/3選選挙―まっすぐにアサノらしく
第4章 議会との緊張関係――万機公論に決すべし
  「私には与党はありません」/知事が策定した計画を白紙撤回/知事の再議権を行使/知事提案の人事案件を議会が否決/県議会答弁の面白さ/議会は県条例の立法機関/談合は犯罪である
第5章 地域おこしの醍醐味――楽天イーグルス 負けても元気
  楽天か,ライブドアか/ライブドアをどう見るか/楽天ゴールデン・イーグルス誕生/宮城県の「楽天効果」/ベガルタ仙台のJ1デビュー/仙台にミュージカル専用劇場を
第6章 福祉の現実と理想――障害者施設解体宣言
  「解体宣言」を発表/障害者を施設から地域へ/福祉職員からの声/解体宣言見直しの真相/「共に学ぶ教育」を進める/「地域の底力」/障害福祉の仕事に目覚める/障害福祉課長時代からの課題として
第7章 地方活力の時代――目指せ地方分権 全国知事会のとりくみ
  ふるさと懇談会/国庫補助金の弊害/「闘う知事会」の誕生/何のための三位一体改革だったのか/国は専門性の転換宣言を
第8章 知事の責任――県警犯罪捜査報償費
  仙台市民オンブズマンからの訴訟/宮城県警への疑念/警視庁,北海道警でも/犯罪捜査報償費の不適正支出を確信する/宮城県警,重い腰を上げる/後任知事,予算執行停止を解除/捜査報償費問題は未解明
あとがき


主審がアサノ知事.キャッチャーは三木谷・楽天社長





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