総理の原稿
新しい政治の言葉を模索した266日
鳩山首相演説の作成や情報発信に携わった二人が,これからの政治的コミュニケーションについて語る.
この国では人々と政治との距離が遠い.それを埋める言葉を求めて,鳩山首相演説の作成やソーシャルメディアによる情報発信に携わった二人が,政権交代の試行錯誤を踏まえつつ,これからの政治的コミュニケーションについて語る.
■編集部からのメッセージ
「私が鳩山さんの演説を書くことになった時に,自分に課したルールがあります.それは,クリーニング屋さんがプレスをしていても,スーパーのおばちゃんが店のBGMで,あるいはタクシーの運転手さんやお客さんが車の中で,それぞれラジオで総理の演説を聞いた時に,耳から入ってわかるようなものにしなければいけないということ.」
(松井孝治氏)
「国民が政治に参加する仕方は選挙だけではない.選挙というのは本当にごくごく一部の手段であって,日常的に私たちは政治にかかわっているわけですから,そのシステムをもう少しだけ変える.いままで自民党の長期政権の中では,それは必要なかったわけです.選挙と陳情,族議員という,そういう非常に限られた,霞が関を中心にした官僚システムを壊して,本当に政治主導を実現するためには,もう一つ大きな,それを支える国民とのコミュニケーションデザインが必要だというのが,まず前提としての実感です.」
(平田オリザ氏)
2009年に政権交代を果たした鳩山内閣で,松井氏は内閣官房副長官として,平田氏は内閣官房参与として,首相演説のスピーチライターを務めました.そして各界の第一戦で活躍する面々とともに,ツイッターやブログなどの新しいメディア,あるいは市民の声を直接聞く場などを拠点として,政治的なコミュニケーション回路をめぐる試行錯誤を重ねてゆきます.背後にあったのは,国民と政治との距離を近づける,という課題意識でした.
日本の演説文化,官邸の情報発信機能,記者クラブメディアとの関係――1年に満たない,しかし濃密な試行錯誤を自己検証しながら,ソーシャルメディアが世界を変えつつあるなかで,これからの政治の言葉のありかたについて,この本で語り合い,論じます.
【編集部:大矢一哉】
■編集部からのメッセージ
「私が鳩山さんの演説を書くことになった時に,自分に課したルールがあります.それは,クリーニング屋さんがプレスをしていても,スーパーのおばちゃんが店のBGMで,あるいはタクシーの運転手さんやお客さんが車の中で,それぞれラジオで総理の演説を聞いた時に,耳から入ってわかるようなものにしなければいけないということ.」
(松井孝治氏)
「国民が政治に参加する仕方は選挙だけではない.選挙というのは本当にごくごく一部の手段であって,日常的に私たちは政治にかかわっているわけですから,そのシステムをもう少しだけ変える.いままで自民党の長期政権の中では,それは必要なかったわけです.選挙と陳情,族議員という,そういう非常に限られた,霞が関を中心にした官僚システムを壊して,本当に政治主導を実現するためには,もう一つ大きな,それを支える国民とのコミュニケーションデザインが必要だというのが,まず前提としての実感です.」
(平田オリザ氏)
2009年に政権交代を果たした鳩山内閣で,松井氏は内閣官房副長官として,平田氏は内閣官房参与として,首相演説のスピーチライターを務めました.そして各界の第一戦で活躍する面々とともに,ツイッターやブログなどの新しいメディア,あるいは市民の声を直接聞く場などを拠点として,政治的なコミュニケーション回路をめぐる試行錯誤を重ねてゆきます.背後にあったのは,国民と政治との距離を近づける,という課題意識でした.
日本の演説文化,官邸の情報発信機能,記者クラブメディアとの関係――1年に満たない,しかし濃密な試行錯誤を自己検証しながら,ソーシャルメディアが世界を変えつつあるなかで,これからの政治の言葉のありかたについて,この本で語り合い,論じます.
【編集部:大矢一哉】
はじめに平田オリザ
対談 政治のコミュニケーションデザイン 平田オリザ・松井孝治
政権交代 「国民のさらなる勝利に向けて」
「基本方針」から所信表明演説へ
国会演説はどうやってつくられるか
身体性のある言葉
ソーシャルメディアを使う
ツイッターの教訓
「リアル鳩カフェ」
記者会見はオープンに
施政方針演説
官邸機能に足りないもの
国際交流会議演説「アジアの未来」
最後の演説
政治とコミュニケーションデザイン
あとがき松井孝治
資料
「国民のさらなる勝利に向けて」
「基本方針」
「第173回国会における鳩山内閣総理大臣所信表明演説」
「第174回国会における鳩山内閣総理大臣施政方針演説」
「第16回国際交流会議「アジアの未来」鳩山内閣総理大臣スピーチ」
対談 政治のコミュニケーションデザイン 平田オリザ・松井孝治
政権交代 「国民のさらなる勝利に向けて」
「基本方針」から所信表明演説へ
国会演説はどうやってつくられるか
身体性のある言葉
ソーシャルメディアを使う
ツイッターの教訓
「リアル鳩カフェ」
記者会見はオープンに
施政方針演説
官邸機能に足りないもの
国際交流会議演説「アジアの未来」
最後の演説
政治とコミュニケーションデザイン
あとがき松井孝治
資料
「国民のさらなる勝利に向けて」
「基本方針」
「第173回国会における鳩山内閣総理大臣所信表明演説」
「第174回国会における鳩山内閣総理大臣施政方針演説」
「第16回国際交流会議「アジアの未来」鳩山内閣総理大臣スピーチ」
平田オリザ(ひらた おりざ)
1962年生まれ.劇作家,演出家.2009年鳩山内閣において内閣官房参与に就任.劇団「青年団」を主宰.1995年『東京ノート』で第39回岸田國士戯曲賞受賞.現在,大阪大学教授.著書『話し言葉の日本語』(井上ひさし氏との共著,2002年,小学館),『演劇のことば』(2004年,岩波書店).
松井孝治(まつい こうじ)
1960年生まれ.参議院議員(民主党所属).鳩山内閣の官房副長官を務める.1983年通商産業省入省.1994年首相官邸に出向,内閣官房内閣副参事官.1996年通産省大臣官房総務課長補佐を経て行政改革会議調査員.同省退官後,2001年参議院選挙にて京都選挙区より初当選.著書『この国のかたちを変える』(2007年,PHP研究所).
1962年生まれ.劇作家,演出家.2009年鳩山内閣において内閣官房参与に就任.劇団「青年団」を主宰.1995年『東京ノート』で第39回岸田國士戯曲賞受賞.現在,大阪大学教授.著書『話し言葉の日本語』(井上ひさし氏との共著,2002年,小学館),『演劇のことば』(2004年,岩波書店).
松井孝治(まつい こうじ)
1960年生まれ.参議院議員(民主党所属).鳩山内閣の官房副長官を務める.1983年通商産業省入省.1994年首相官邸に出向,内閣官房内閣副参事官.1996年通産省大臣官房総務課長補佐を経て行政改革会議調査員.同省退官後,2001年参議院選挙にて京都選挙区より初当選.著書『この国のかたちを変える』(2007年,PHP研究所).
書評情報
朝日新聞(朝刊) 2011年9月18日
毎日新聞(朝刊) 2011年6月26日
日本経済新聞(朝刊) 2011年6月19日
信濃毎日新聞(朝刊) 2011年6月19日
京都新聞(朝刊) 2011年6月5日
琉球新報 2011年5月19日
週刊エコノミスト 2011年5月10日号
毎日新聞(朝刊) 2011年4月30日
毎日新聞(朝刊) 2011年6月26日
日本経済新聞(朝刊) 2011年6月19日
信濃毎日新聞(朝刊) 2011年6月19日
京都新聞(朝刊) 2011年6月5日
琉球新報 2011年5月19日
週刊エコノミスト 2011年5月10日号
毎日新聞(朝刊) 2011年4月30日