大学新入生に薦める101冊の本

新版

「現代の教養」を育てるためのガイドブックが,新しくなった.読みやすい解説文で,生涯学習にも最適.

大学新入生に薦める101冊の本
著者 広島大学101冊の本委員会
ジャンル 書籍 > 単行本 > 総記
刊行日 2009/03/13
ISBN 9784000237819
体裁 四六 ・ 並製 ・ カバー ・ 278頁
在庫 品切れ
「文理横断型」の知を強調するユニークな読書案内として話題になった旧版刊行から4年.書目を大幅に入れ替え,「戦争と平和への希望」という新たな章を設け,「現代の教養」を育てる手がかりとなることをめざした.読みやすい解説文で,学生だけでなく,生涯学習用ガイドブックとしても最適.著者名・書名・事項索引付き.

■編集部からのメッセージ

旧版が刊行されたのは2005年3月.前年に出版されていた『東大教師が新入生にすすめる本』(文春新書)と比較されることも多かったのですが,こちらは「文理横断型の知」を強調するユニークな読書案内として評判になりました.書名・著者名・事項索引をがっちりとつけるなど,こだわりの編集方針が受けたようです.
 戻ってきた読者はがきを見ると,10代後半から90代前半まで,幅ひろい年齢の方がたに読んでいただいたことがわかりました.印象に残ったのは,「定年後に勉強しなおします」というようなコメント.
 新版も,基本方針は変わりませんが,書目を大幅に入れ替え,より円熟した内容になりました.また新たに「戦争と平和への希望」という章を設け,広島大学らしい個性を出しています.見開き2ページで完結する構成ですので,どこからめくっていただいても大丈夫.「教養主義の没落」が言われる現在,「現代の教養」とは何かを考える手がかりとして,まず手にとっていただければ幸いです.

【編集部:桑原 涼】

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「現代の教養」を育てる手がかりとなる ユニークな読書案内!
はじめに
  こころにのこる言葉

第1章 教養への誘い
  読書から始まる/長田弘  君たちはどう生きるか/吉野源三郎  自分のなかに歴史をよむ/阿部謹也  モモ/エンデ  シーシュポスの神話/カミュ  自由論/ミル  ラッセル幸福論/ラッセル  日本の詩歌/大岡信  近代日本人の宗教意識/山折哲雄  この国のかたち/司馬遼太郎  ことばと国家/田中克彦  多文化世界/青木保  世界史とわたし/梅棹忠夫  知的複眼思考法/苅谷剛彦  科学者という仕事/酒井邦嘉
こころにのこる言葉

第2章 人間の記録
人生とは何か
  安土往還記/辻邦生  蝉しぐれ/藤沢周平  遠き落日/渡辺淳一  津田梅子/大庭みな子  人生は廻る輪のように/キューブラー=ロス  傍観者の時代/ドラッカー  あなたは私の手になれますか/小山内美智子
自らを語る
  フランクリン自伝/フランクリン  カーネギー自伝/カーネギー  チャップリン自伝/チャップリン  ガンジー自伝/ガンジー  福翁自伝/福沢諭吉  高橋是清自伝/高橋是清  突破者/宮崎学  ジャズと生きる/穐吉敏子
生と死
  沈黙/遠藤周作  忘れられた日本人/宮本常一  武士道/新渡戸稲造  犠牲(サクリファイス)/柳田邦男
知に生きる
  南方熊楠/鶴見和子  清沢洌/北岡伸一  旅人/湯川秀樹  果てしなき探求/ポパー  市民科学者として生きる/高木仁三郎  マサリクの講義録/マサリク
こころにのこる言葉

第3章 パラダイムを超えて
知の誕生
  ユーザーイリュージョン/ノーレットランダーシュ  脳のなかの幽霊/ラマチャンドランほか  ゲーデル,エッシャー,バッハ/ホフスタッター  うぬぼれる脳/キーナンほか
科学の誕生
  セレンディピティー/ロバーツ  物理学はいかに創られたか/アインシュタイン&インフェルト  ご冗談でしよう,ファインマンさん/ファインマン  部分と全体/ハイゼンベルク  DNA/ワトソン  ポアンカレ予想を解いた数学者/オシア  ノーベル賞ゲーム/丸山工作
進化について
  ことばの考古学/レンフルー  銃,病原菌,鉄/ダイアモンド  生物進化を考える/木村資生  生命と地球の歴史/丸山茂徳・磯行雄
パラダイム・シフト
  科学革命の構造/クーン  オリエンタリズム/サイード  監獄の誕生/フーコー  生成文法の企て/チョムスキー  人生越境ゲーム/青木昌彦  フェルマーの最終定理/シン
こころにのこる言葉

第4章 戦争と平和への希望
戦争の傷跡
  きけわだつみの声/日本戦没学生記念会  野火/大岡昇平  夏の花/原民喜  アメリカひじき・火垂るの墓/野坂昭如  ワイルド・スワン/ユン・チアン  夜と霧/フランクル  玉ねぎの皮をむきながら/グラス
敗北とむきあう
  荒れ野の40年/ヴァイツゼッカー  敗北を抱きしめて/ダワー  敗戦後論/加藤典洋
ヒロシマ・ナガサキ,そしてチェルノブイリ
  爆心/青来有一  広島 記憶のポリティクス/米山リサ  カウントダウン・ヒロシマ/ウォーカー  希望のヒロシマ/平岡敬  「チェルノブイリ」を見つめなおす/今中哲二・原子力資料情報室
平和をつくる手がかり
  音楽と社会/バレンボイム&サイード  ムハマド・ユヌス自伝/ユヌス  トットちゃんとトットちゃんたち/黒柳徹子  医者,用水路を拓く/中村哲  平和のつくり方/国連ボランティア計画
こころにのこる言葉

第5章 現代の重要問題
混迷する「現代」
  1984年/オーウェル  石の叫びに耳を澄ます/板垣雄三  アフリカ/ゲスト  アメリカ帝国への報復/ジョンソン  アメリカン・マインドの終焉/ブルーム  マルチチュード/ネグリ&ハート
危機に立つ地球
  沈黙の春/カーソン  百億の星と千億の生命/セーガン  地球温暖化を防ぐ/佐和隆光  不都合な真実/ゴア
グローバリズム
  エビと日本人II/村井吉敬  世界に格差をバラ撒いたグローバリズムを正す/スティグリッツ  利潤か人間か/北沢洋子  サバルタンは語ることができるか/スピヴァク
「日本」という課題
  私の個人主義/夏目漱石  人間を幸福にしない日本というシステム/ウォルフレン  空虚な楽園/マコーマック  食と農の戦後史/岸康彦  愛国の作法/姜尚中  現代史の中で考える/高坂正堯
こころにのこる言葉

第6章 本の買い方選び方
  こころにのこる言葉
  101冊の本・関連年表
  索引(著者・編者名,書名,事項)




編者紹介


広島大学101冊の本委員会
編集委員会委員
宇佐美広介 越智貢 桑島秀樹 小池聖一 布川弘 根平達夫 吉村慎太郎 日下部眞一(委員長)

実務支援
広島大学教育室教育企画グループ 和田芳弘

書評情報

朝日新聞(朝刊)〔広島〕 2009年4月26日
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