地域の味がまちをつくる

米国ファーマーズマーケットの挑戦

単に農作物を販売するだけでなく,食生活の改善や地域再生に繋がる様々な取り組みをレポートする.

地域の味がまちをつくる
著者 佐藤 亮子
ジャンル 書籍 > 単行本 > 社会
刊行日 2006/05/17
ISBN 9784000238366
Cコード 0036
体裁 四六 ・ 並製 ・ カバー ・ 174頁
在庫 品切れ
農家が集まり,自分が作った農産物を並べ,各自が直接販売するファーマーズマーケット.地域の生産者と消費者が深く結びつくことによって地場産業が復活し,有機栽培野菜の生産,地域通貨の活用や低所得者層へのチケット配布など,単に農作物を販売するだけでなく食生活の改善や地域再生に繋がる様々な取り組みをレポートする.

■著者からのメッセージ

もともとはまりやすい質なのか,気になりだすとそればかりを追うくせがある.パンに凝っていた時はパン屋の前を素通りすることができなかったし,靴が好きになると,お金がないのについ目についた靴屋に飛び込んでしまう.そして,ここ何年かはまり続けているのが,ファーマーズマーケットだ.
 2003年秋,ひょんなことから,アメリカに留学する機会に恵まれた.案の定,勉強そっちのけでファーマーズマーケットめぐりである.最初は気晴らし程度のつもりが,いつのまにかすっかりのめり込み,留学に行ったのかファーマーズマーケットを訪ねるために行ったのか,わからない状態.訪れるたびに新しい出会いと発見があり,知れば知るほどファーマーズマーケットという「場」のもつオーラにとり憑かれていった.
 アメリカはいろんな意味で巨大な国だ.広大な農地で大型機械を使って作ったコーンや大豆を大量に日本に送り込み,狂牛病も何のそので強引に牛肉の輸出を続けようとする.一度の食事ででるゴミの量もものすごい.健康を気にしながら,どぎつい色の食べ物や,高カロリーのファーストフード,脳に響くほど甘いデザートが店先で幅を利かせている.そんな国で,いま,ファーマーズマーケットが静かに増殖しているのである.
 日本では道の駅や


商品の見せ方も個性の発揮しどころ
農協が運営するものも含め,農産物直売所が活況を呈しているが,アメリカのファーマーズマーケットはそれとはひと味違った味わいがある.一言でいうと,“コミュニティ”という出汁の効き方の違いなのかもしれない.農業に,食べものに,まちづくりに,環境問題に,新しいライフスタイルに……さまざまな関心をお持ちの方々が本書を手にとってくださったらうれしい

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ファーストフードの国でファーマーズマーケットに人気が集まるこれだけの理由



書評情報

しんぶん赤旗 2006年8月6日
日本農業新聞 2006年6月19日
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