日本を問い続けて

加藤周一,ロナルド・ドーアの世界

加藤周一氏とロナルド・ドーア氏が見てきた戦後日本とは,いったい何だったのか.その生き方と業績を追う.

日本を問い続けて
著者 加藤 周一 監修 , ロナルド・ドーア 監修 , 福岡ユネスコ協会
ジャンル 書籍 > 単行本 > 社会
刊行日 2004/07/28
ISBN 9784000242257
Cコード 0036
体裁 四六 ・ 上製 ・ カバー ・ 264頁
在庫 品切れ
評論家加藤周一氏と社会学者ロナルド・ドーア氏が見てきた戦後日本とは,いったい何だったのか.2人は日本のどこを見ようとしてきたのか,何を見てきたのか,そしていまの日本をどう見ているのか.そもそも加藤周一とは,R.ドーアとは何者なのか.8人の内外の研究者が語る,2人の知識人の半世紀にわたる業績と生き方.


■編者からのメッセージ
 国際的な日本研究の発表と討議の場を当地に設けてきた当協会にとって,1998年は,改めて20世紀の終焉を意識させられた年であった.そのこともあってドーア教授の日本研究の業績を省みるために,「ロナルド・ドーア教授の日本研究50年」をテーマとする「国際セミナー」をその年に開催した.そして20世紀末の2000年には,加藤周一氏をテーマにした「世界における日本研究と加藤周一」を開催した.これら2つの「国際セミナー」は,日本研究の進展にいささか寄与する歩みを続けてきた当協会にとって,まさに記念碑的な意味を有するものであった.
(「はじめに」より)
福岡ユネスコ協会 竹藤 寛
はじめに

第一部 加藤周一の仕事

私と戦後55年……………加藤周一
古典的知識人 加藤周一……………I.日地谷-キルシュネライト
    *
自伝における創造と虚構……………ジャニン・ジャン
 ――『羊の歌』を中心に
加藤周一と日本文化雑種性の問題……………P.ジュリー・ブロック
 ――雑種性から普遍性へ
  コメント1(加藤周一)
韓国における『日本文学史序説』……………金泰俊
 ――日本文学の特徴とそのアジア的普遍性をめぐって
  コメント2(加藤周一)
「夕陽妄語」に見る加藤周一……………ウィリアム・J.タイラー
 ――評論の現代的役割

第二部 ロナルド・ドーアの仕事

変動の激しい半世紀を振り返る……………ロナルド・ドーア
グローバル・スタンダードにどこまで従うべきか……………ロナルド・ドーア
社会進化・儒教・個人主義……………稲上毅
 ――ドーアの日本研究50年をふりかえって
    *
社会調査史のなかの『都市の日本人』……………佐藤健二
講舎と書院……………劉岸偉
 ――近世日中の儒学と教育

[対談] 日本とは何か……………加藤周一/ロナルド・ドーア
加藤周一(かとう しゅういち)
1919年生まれ.東京大学医学部卒業.文芸評論家,作家.1951年渡仏,55年帰国.医師をしながら「日本文化の雑種性」などを発表.主著に「雑種文化」「羊の歌(正続)」「日本文学史序説」「現代ヨーロッパの精神」「消えた版木 富永仲基異聞」「私にとっての20世紀」,など.「加藤周一著作集」(全24巻)がある.

ロナルド・ドーア(Ronald P.Dore)
1925年英国ボーンマス生まれ.ロンドン大学経済パフォーマンス研究所上級研究員.1947年ロンドン大学東洋・アフリカ研究学院卒業.江戸時代の教育をテーマとして1950年に初来日.主著に「都市の日本人」「日本の農地改革」「学歴社会 新しい文明病」「貿易摩擦の社会学 イギリスと日本」「日本との対話 不服の諸相」など.

書評情報

毎日新聞(朝刊) 2004年12月19日
ページトップへ戻る