晩年のスタイル

サイード夫人の「まえがき」より/目次/著訳者略歴



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サイードの「晩年性(レイトネス)」研究の,文化的芸術的にもっとも豊かな本.本を読む喜びと生きてゆく希望を呼びおこす. 大江健三郎


サイード夫人の「まえがき」より

 わたしの記憶が確かなら,このアイディア――作家や音楽家やその他の芸術家たちの「晩年の作品」「晩年のスタイル」「アドルノと晩年性」などなど――は1980年代の終わり頃にエドワードとわたしの会話の一部となっていました.その頃,彼はこの現象に興味をもちはじめ,関連文献をむさぼるように読んでいました.この問題について彼は友人や同僚たちと話し合い,音楽や文学に関する文章の多くで,晩年の作品を取り上げはじめたのです.特定の作家や作曲家の晩年の作品に的を絞ったエッセイすら書いています.彼はまた「晩年のスタイル」と題した一連の講演をはじめます.最初はコロンビア大学で.つぎにはいろいろなところで.そして1990年代のはじめにはこの題材を扱うクラスをもったのです.そしていよいよ本を書くことを決め,契約の準備をしたのです.


目次

まえがき(マリアム・C.サイード)
序(マイケル・ウッド)
第1章 時宜を得ていることと遅延していること
第2章 18世紀への回帰
第3章 限界にたつ『コシ・ファン・トゥッテ』
第4章 ジャン・ジュネについて
第5章 消えやらぬ古き秩序
第6章 知識人としてのヴィルトゥオーソ
第7章 晩年のスタイル瞥見
 原注
 訳注
 訳者あとがき
 人名索引


著訳者略歴

著者
エドワード・W.サイード(Edward W. Said)
1935年イギリス委任統治領パレスチナの西エルサレムに生まれる.プリンストン大学卒業,ハーヴァード大学大学院修了.専門は比較文学,英文学.1963年よりコロンビア大学教員.1992年よりコロンビア大学教員の最高位である「大学教授」.パレスチナ問題,中東問題でも積極的に発言.音楽批評家としても活動.同年生まれの大江健三郎との親交でも知られる.2003年9月25日ニューヨークで死去.

訳者
大橋洋一(おおはし よういち)
1953年生まれ.東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了.現在,東京大学大学院人文社会系研究科教授.英文学専攻.主な著書に『新文学入門――T.イーグルトン『文学とは何か』を読む』(岩波書店)などがあり,訳書は,イーグルトン『文学とは何か――現代批評理論への招待』(岩波書店),サイード『知識人とは何か』(平凡社),同『文化と帝国主義』(みすず書房)など多数にのぼる.




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