福島原発で何が起きたか

安全神話の崩壊

福島第一原発事故はなぜ起きたのか.科学・技術および倫理の観点から事故の原因とプロセスの真相に迫る.

福島原発で何が起きたか
著者 黒田 光太郎 , 井野 博満 , 山口 幸夫
ジャンル 書籍 > 単行本 > 社会
刊行日 2012/11/15
ISBN 9784000246774
Cコード 0036
体裁 B5 ・ 並製 ・ カバー ・ 126頁
定価 2,860円
在庫 在庫僅少
福島第一原発事故における核技術の暴走は悲惨な結果をもたらし,いまなお放出される放射能が生態系をはじめわれわれの生活を脅かしつづけている.なぜこのような原発事故が起きたのか,その事故原因とプロセスはいまだ確定されていない.科学・技術,および倫理の観点から,現時点で可能なかぎり福島原発事故の真相に迫る.

■編集部からのメッセージ

 福島第一原発事故は悲惨な結果をもたらし,いまなお漏出される放射能が生態系をはじめわれわれの生活を脅かしつづけている。なぜこのような原発事故が起きたのか,その事故原因とプロセスはいまだ確定されていない。地震による損傷は本当になかったのか? 放射能汚染はどのように広がっているのか? 制度や組織的背景,倫理的観点も含めて,福島原発事故をもたらした真相に迫る。2012年8月30,31日に行われた国際シンポジウムの記録。
はじめに 黒田光太郎

福島原発事故における地震による機器損傷の真相に迫る 田中三彦
福島原発事故から,すべての原子力関係者が学ばなければならないこと アーニー・ガンダーセン
質疑・討論1
地震列島の原発の必然的帰結としての“福島原発震災” 石橋克彦
〈コメント〉原発と活断層──なぜ活断層が過小評価されたか? 鈴木康弘
質疑・討論2


福島原発事故による放射能汚染の実像 今中哲二
〈コメント〉原子炉建屋地下室に漏出する膨大な高濃度放射能汚染水の危険性 海老澤 徹・澤井正子
〈コメント〉福島県飯舘村,喜多方市における地域循環型除染モデルの構築 山田國廣
〈コメント〉低線量放射線のリスクはなぜ正当に評価されないのか──国会事故調が明らかにしたこと 崎山比早子
質疑・討論3


福島原発事故の「政策失敗病」としての諸側面 吉岡 斉
原子力の“平和利用”と核開発──核拡散問題への注視を フィリップ・ワイト
〈コメント〉原子力委員会について 鈴木達治郎
〈コメント〉原発訴訟について 海渡雄一
〈コメント〉電力を「虜」にしてきた原発 田中三彦
〈コメント〉福島原発事故とマスメディア 金平茂紀
質疑・討論4


犠牲のシステム──責任をめぐる一考察 高橋哲哉
エネルギーの倫理とドイツ社会の変化──「安全なエネルギー供給のための倫理委員会」の経験から ミランダ・シュラーズ
原発の反倫理性と科学者の社会的責任 池内 了
質疑・討論5

結びに
井野博満・山口幸夫・細川弘明・舩橋晴俊・丸山真人・今中哲二・武本和幸・伴 英幸・後藤政志
資料 菅波 完・上澤千尋
田中三彦
(サイエンスライター/元国会福島原発事故調査委員会委員)
アーニー・ガンダーセン
(フェアウィンズ・アソシエーツ社チーフ・エンジニア)
石橋克彦
(神戸大学名誉教授/元国会福島原発事故調査委員会委員)
鈴木康弘
(名古屋大学)
今中哲二
(京都大学原子炉実験所)
海老澤徹
(元京都大学原子炉実験所)
澤井正子
(原子力資料情報室)
山田國廣
(京都精華大学)
崎山比早子
(高木学校/元国会福島原発事故調査委員会委員)
吉岡 斉
(九州大学/元政府福島原発事故調査委員会委員)
フィリップ・ワイト
(アデレード大学)
鈴木達治郎
(原子力委員会委員長代理)
海渡雄一
(弁護士)
金平茂紀
(TBS報道局)
高橋哲哉
(東京大学)
ミランダ・シュラーズ
(ベルリン自由大学/「安全なエネルギー供給のための倫理委員会」委員)
池内 了
(総合研究大学院大学)
井野博満
(東京大学名誉教授)
山口幸夫
(原子力資料情報室共同代表)
細川弘明
(京都精華大学)
舩橋晴俊
(法政大学)
丸山真人
(東京大学)
武本和幸
(原発反対刈羽村を守る会)
伴 英幸
(原子力資料情報室共同代表)
後藤政志
(NPO法人APAST)
菅波 完
(高木仁三郎市民科学基金)
上澤千尋
(原子力資料情報室)

書評情報

クレヨンハウス通信 Vol.385(2013年2月)
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