「脱構築批評」を打ち立て,文学批評・哲学・思想の領域に深い影響を与えたポール・ド・マン(1919-83年).本書は,主著『読むことのアレゴリー』(1979年)を中心に,「比喩性」,「機械性」,「物質性」,そして「アレゴリー」という概念を読み解く試みである.「アレゴリー」――それは,「読むこと」はできない,という言語の逃れようのない本質を示している.この視点に立つとき,難解で知られるド・マンの理論は一貫性をもつものとして現れ,そこに「読むこと」の倫理が浮かび上がる.
第一人者が書き下ろした本書は,ド・マンを主題にした日本人による初めての書物である.
