忘却のしかた,記憶のしかた

日本・アメリカ・戦争

日本とアメリカは,アジア太平洋戦争をどう記憶し,忘却してきたのか――『敗北を抱きしめて』の著者による渾身の論文集.

忘却のしかた,記憶のしかた
著者 ジョン・W.ダワー , 外岡 秀俊
ジャンル 書籍 > 単行本 > 歴史
刊行日 2013/08/02
ISBN 9784000247832
Cコード 0021
体裁 A5 ・ 上製 ・ 366頁
定価 3,300円
在庫 在庫あり
冷戦の終焉や戦後50年という節目において,日米両国は,過去のアジア太平洋戦争をどう記憶し,忘却してきたのか──.歴史の複雑さをどのように直視し,現在と未来に生かすべきかを真摯に考察した,著者の本領発揮というべき論文集.1993年以降に発表した論文・エッセイを収録.各論文冒頭に,自身による書き下ろしの解題をつけた.


■編集部からのメッセージ
 『敗北を抱きしめて』の著者ジョン・ダワーによる新しい論集を刊行します.
 冷戦の終焉,戦後50年という節目において,またイラクやアフガニスタンでの新しい戦争が進行するなかで,日本とアメリカは,アジア太平洋戦争の記憶をどう呼びおこし,何を忘却してきたのか──.
 1993年以降に発表したエッセイ・評論に,著者自身による書き下ろしの解題をつけた,最新の論集.
 ポスターや着物に描かれた戦争宣伝や修辞,ヒロシマ・ナガサキの語られかた,戦後体制のなかで変容する「平和と民主主義」,E.H.ノーマンの再評価など…….過去をひもとき,いまと対置することで,「政治化」された歴史に多様性を取りもどす,ダワーの研究のエッセンスが凝縮された,渾身の1冊です.
日本の読者へ
凡例


第1章 E.H.ノーマン,日本,歴史のもちいかた
第2章 二つの文化における人種,言語,戦争――アジアにおける第二次世界大戦
第3章 日本の美しい近代戦
第4章 「愛されない能力」――日本における戦争と記憶
第5章 被爆者――日本人の記憶のなかの広島と長崎
第6章 広島の医師の日記,50年後
第7章 真の民主主義は過去をどう祝うべきか
第8章 二つのシステムにおける平和と民主主義――対外政策と国内対立
第9章 惨めさをわらう――敗戦国日本の草の根の諷刺
第10章 戦争直後の日本からの教訓
第11章 日本のもうひとつの占領

初出一覧
原注
訳者あとがき
索引
ジョン・W.ダワー(John W.Dower)
1938年生まれ.アマースト大学卒業.ハーバード大学博士号取得.日本近代史・日米関係史.マサチューセッツ工科大学名誉教授.著書に『吉田茂とその時代』(中公文庫),『容赦なき戦争――太平洋戦争における人種差別』(平凡社ライブラリー),『敗北を抱きしめて――第二次大戦後の日本人』(岩波書店),『昭和――戦争と平和の日本』(みすず書房)など.

外岡秀俊(そとおか ひでとし)
1953年生まれ.東京大学法学部卒業.朝日新聞社で学芸部,社会部,ニューヨーク,ロンドン特派員,編集委員などを歴任.現在,ジャーナリスト活動を続けながら,北海道大学公共政策大学院(HOPS)研究員を務める.著書に『傍観者からの手紙』(みすず書房),『3・11複合被災』(岩波新書)など.

書評情報

朝日新聞(be) 2015年12月19日
朝日新聞(朝刊) 2013年12月29日
佐賀新聞 2013年11月6日
東京新聞(朝刊) 2013年10月27日
週刊読書人 2013年10月27日号
聖教新聞 2013年10月23日
デーリー東北 2013年10月13日
長野日報 2013年10月9日
上毛新聞 2013年10月6日
茨城新聞 2013年10月6日
朝日新聞(朝刊) 2013年9月29日
陸奥新報 2013年9月29日
書評空間 2013年9月24日掲載
しんぶん赤旗 2013年9月22日
週刊朝日 2013年9月20日号
中国新聞(朝刊) 2013年9月15日
週刊東洋経済 2013年9月14日号
朝日新聞(朝刊) 2013年8月29日
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