MUSICS

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ひとつの響きから 未知のアンサンブルへ ジャズ,ノイズ,うた,映画音楽── 多様な場で音楽を発動する大友良英の話し言葉と書き言葉による複数の思考. 32人のミュージシャンへのアンケート,細馬宏通との語り下ろし対談も収録!  Extra DVD! ONJO+音遊びの会ライブ  @京都精華大学,10/13/2007

著者からのメッセージ

大友良英
 音楽の世界に足を踏み入れて四半世紀.数え切れないほどのコンサートを世界中の数え切れない都市でやり,それこそ自分でも把握できないほどの数のCDや録音物を世に出し,かなりの数の映画音楽をこなし,雑誌やweb上で無数の文章を発表してきたわけだけれど,どういうわけかこれまで本を出したことは一度もなかったのだ.出したくなかったわけじゃなく,書いた文章をまとめるような時間がなかったし,それをやってくれる出版社も編集者もいなかった……というのが正直なところだ.でもそれだけが,理由ではなく,書かれた文章のほとんどは,音楽を作るプロセスに関わるものばかりで,時間とともに,音楽の変化にともない,言葉はどんどん変質してしまい,単独で本になるようなものではないのではないか……と,本人が思っていたことが一番の理由だった.そんな本人の思惑を超えて,一冊の本として読めるものにしてくれたのは,なによりも編集にかかわった方々の功績だ.こうして通して読んでみると,われながら捨てたもんじゃない.ここに収められた文章,あるいは発言の数々は,わたし自身が,特にこの数年,経験してきた無数の音楽の現場での体験をもとにした思考の軌跡になっている.難しい言葉や,込み入った机上の思考ではなく,現場たたき上げ音楽家の偽らざる実感,試行錯誤の跡を,なるべく自分の言葉にして書いた,汗の染み付いた文章だ.それは多くの現場を経験し,多くの人たちとコラボレーションするなかで見つけてきた,経験してきた思考錯誤の宝庫にもなっている.
 理論書や哲学書のような緻密さはないかもしれないが,そのかわりここには音のこと,ノイズのこと,音楽のこと,映画のこと,うたのこと,空間のこと,そして日常を生きるということへの問いが満載されている.わたしが書きたかったのは,その答えを探すことではなく,問いの中から見つけることの出来るある豊かさのようなもの……そんな風にも思っている.まあ,だまされたと思って,ちょっと風変わりな音楽の現場をわたりあるいてきた特殊音楽家の試行錯誤につきあってみてください.きっと,あなたの日常にもリンクする問いかけが見つけられる……そんなふうに思います.


著者略歴

大友良英(おおとも よしひで)
1959年,神奈川県生まれ.ギタリスト,ターンテーブル奏者,作曲家.ジャズ,即興演奏,ノイズ,ロック等,数々の現場を経験した後,90年にGROUND-ZEROを結成.即興演奏家として世界各地で演奏をする一方,映画音楽家としても数十本の作品に関わる.参加したアルバムは300枚以上.リーダーアルバムもすでに数十枚に.プロデューサーとしてはカヒミ・カリィ,浜田真理子等の作品を制作.近年は自身のオーケストラONJOでの活動のほか,サウンドインスタレーションなどの作品も多い.知的障害のある子供たちとの音楽活動や,東京藝術大学等での特別講義も行っている.


目次

Intro
ジャズなんて古臭いと思っていたのに

第1章 ノイズ

第2章 聴取

第3章 映画

第4章 音響

jam
アンケート
ミュージシャンはステージで何を聴いているのか
中村としまる/植村昌弘/菊地成孔/田中悠美子/Phew/Haco/竹村延和/Sachiko M/一楽儀光/杉本拓/芳垣安洋/天鼓/山本精一/秋山徹次/吉田アミ/美川俊治/秋田昌美/石川高/津上研太/水谷浩章/大蔵雅彦/刀根康尚/浜田真理子/鈴木祥子/高橋悠治/中村達也/さがゆき/高良久美子/カヒミ・カリィ/佳村萠/宇波拓/ジム・オルーク

第5章 ジャズ

第6章 うた

第7章 空間

bonustrack1
対談
音楽はいかにして終わるか──アンサンブルの彼方に
細馬宏通+大友良英

bonustrack2
戦争と日常と

あとがき




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