ミラクル・ツインズ! 難病を乗り越えた双子の絆




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早逝必至の難病をもって生まれた双子の,奇跡の半生―― その前向きな姿勢は,多くの人に希望を与えるに違いありません.

2009年10月,本の刊行に合わせ来日した“奇跡の双子”イサベルさん・アナベルさんが岩波書店を来訪.お二人から日本のみなさんへのメッセージです!


この本がオモシロイ 7つのポイント

1 うっそー! と言いたくなるホントの話――難病,そして肺移植
 CF(嚢胞性線維症)という難病の遺伝子をもって生まれた双子の姉妹.イオン交換の異常が原因で肺を粘液がふさぎ,担当医によれば「10歳の誕生日が迎えられるかどうか」との診断だったらしい.日々の治療,新薬の開発などで,成人を迎えられたものの,最終的には肺移植しか道はなくなる.しかも,二人ともなんてありうる? 移植に至るまでのさまざまな人々の支え,瀕死の状況での劇的な展開,ドナー家族との交流など,こんな二人が生き抜いてきたことがまさにミラクル!


2 双子ゆえの絆,双子ゆえの反発――双子物語
 毎日欠かすことのできない,粘液除去のセラピー.細菌が肺感染症をひきおこすたびに,即入院.見た目もまったく同じの一卵性双生児は,生き延びるためにはお互いの支え合いが不可欠だった.しかし,当然ながら,考え方,感情,性格はそれぞれで,交互に執筆されたこの回想記,同じ出来事,同じ家族のことを,異なる視点で語っていて,とってもユニーク.ときには,姉妹の正面からぶつかりあいも…….


3 父親と母親のバトル――異文化衝突
 イサベルとアナベルのお母さんは日本人.新しい人生を求めて,アメリカ留学にやってきた.一方お父さんはドイツからの留学生.恋を育み,国際結婚をするが,お母さんは,それまで聞いたこともない難病の双子を抱え,まるで看護婦になった気持ち.夫はもちろん協力しているのだが,仕事に没頭するし,家庭から逃れるようにしばしば登山行.「あなたは山に浮気してるのと同じよ!」 離婚さえ口にのぼるような両親の危機.違う文化をもち,アメリカという異なる文化のなかで生活する両親の葛藤を,聡明な双子は見つめる.自分たちが先に死に,両親を悲しませることを申し訳ないと思いながら…….


4 割りを食った兄,自分の人生を模索する母――病気と家族
 家族に病人がいると,健康な家族のことは後回しになるのは,やむを得ないかもしれない.両親は妹たちの世話で精いっぱい.1歳年上の兄は何かと割りを食ってきた.無邪気な幼年期はまだしも,思春期になると家族に反発し,タバコを吸うわ,無免許でバイクに乗るわ,金持ちの仲間と遊び歩くわ…….兄がどのように家族との関係を結びなおしていくのか,ここのあたりも読みどころ.
 双子の世話でくたくたの母も,「あなたは自分自身の人生を生きなくちゃ」とソーシャルワーカーに励まされ,50歳を前に大学院に入って猛勉強.病人の心のケアを仕事にするようになる.一人の女性の自立への模索も描かれる.


5 恋愛あり,嫉妬あり…… ――病気と青春
 呼吸が苦しく,咳もしばしば.こんな私を好きになってくれる人なんている訳がない.でもイサベルに,「キミが好きなんだ」と告白してくれる人が現れた! 病気のために引っ込み思案になるイサベル.しかし病気ではなく,人そのものを見てくれるこのボーイフレンドと付き合いはじめ,恋の喜びを初めて知る.しかし,アナベルはおもしろくない.自分の健康状態はイサベルに比べてより悪化している.治療のためにはイサベルといっしょに暮らすことが必須だが,そばでボーイフレンドといちゃつかれては,ストレスがたまる一方.ついに一人暮らしを始めたアナベルの元に現れたのは,CF患者だったガールフレンドを亡くしたばかりの男で…….


6 日本でも生活――遠い外国の話じゃない
 日本の「おばあちゃん」は,家族の強力な助っ人.双子誕生時には,母親が発したSOSの求めに応じ,赤ん坊の世話にやってきた.姉妹が最初に覚えた言葉も日本語だったとか.小学校2年生のときには,父親の研究休暇で日本に滞在.小学校に通った.
 長じて大学を卒業後,アジアボランティアプログラムで,二人は英語教師として高松で暮らす.日本での思い出もたっぷり.でも,病気を抱え,普通に生活するというのは,日本ではかなり大変だった…….


7 移植をめぐるシステム――その実際とは?
 現在,アナベルはスタンフォード大学子ども病院で遺伝カウンセラー,イサベルは非常勤のソーシャルワーカーとして働く.深刻な病気を抱える人の相談にのる一方,CF患者や家族,移植の啓発活動などのボランティア活動にも積極的にかかわっている.イサベルとアナベルは,移植により命を救われる劇的な体験を生きいきと描いているが,そこは医療のプロ.移植を支えている人,ドナー家族への言及にも深いおもいやりがあふれる.日本の移植のあり方の議論にも参考になる点がいっぱいありそう.

とにかく読んで面白い作品です!


著者略歴

イサベル・ステンツェル・バーンズ
 (Isabel Stenzel Byrnes)
アナベル・ステンツェル
 (Anabel Stenzel)
1972年,ドイツ人の父・日本人の母の元,アメリカ・カリフォルニア州に生まれる.遺伝性難病(嚢胞性線維症=CF)と判明,肺感染症などでの入院を繰り返す.1994年,揃ってスタンフォード大学卒業.その後1年弱,香川県高松にて英語教師として働く.1995年カリフォルニア大学バークレー校にて修士課程へ.アナベルは遺伝カウンセリングで,イサベルは社会福祉と公衆衛生で学位取得.1997年よりアナベルは,スタンフォード大学病院にて遺伝カウンセラーとして勤務.イサベルは同病院等でソーシャルワーカーとして勤務.肺機能低下のため,2000年アナベルが,2004年にはイサベルが両肺移植を受け成功.2007年,拒絶反応のため,アナベル再移植.現在は健康を取り戻し,二人とも仕事にボランティア,講演活動,そして趣味の山登りや水泳にと忙しい日々を送る.ドキュメンタリー映画制作も進行中.

 公式サイト    http://www.thepoweroftwomovie.com/
 日本応援団サイト http://the-power-of-two.jimdo.com/


目次

プロローグ イサ★
1 十八億人に一人! イサ★
2 最初の記憶 イサ★
3 文化大衝突 アナ☆
4 第二のわが家・カイザー病院 イサ★
5 フラミンゴの仲間たち イサ★
6 逃げ道はどこにもない アナ☆
7 病院生活のひとこま イサ★
8 スクールブルース イサ★
9 スタンフォード・ツインズ アナ☆
10 リーダーを失う アナ☆
11 花開く イサ★
12 日本での冒険 イサ★
13 ホームシック アナ☆
14 下り坂 アナ☆
15 病めるときも健やかなるときも イサ★
16 もう一つの三角関係 アナ☆
17 復活を目のあたりに イサ★
18 蝶の羽 アナ☆
19 今度は私の番 イサ★
20 奇 跡 アナ☆
21 命の贈り物 イサ★
22 感 謝 アナ☆
エピローグ アナ☆
あとがき
解説―日本の読者のために 加藤友朗
装丁 後藤葉子


著者からのメッセージ

日本の皆さんに私たちのこの物語をお伝えできることを,心から嬉しく思います! 持って生まれた難病を耐えてここまで生き抜いてこられた双子のユニークな絆を祝うために,私たちはこの本を書きました.アメリカという国で,日本人とドイツ人の両親をもつ双子として育つとはどういうことかをありのまま正直に書き綴り,病気をもちながらも有意義な人生を楽しめるような数多くの機会を与えられてきたことを,お伝えしたかったのです.病気だからといって,必ずしも悲しみ一色とは限らず,これは楽しい物語です.私たちはたくさんの愛と深い思いやりと良いお手本に恵まれていたからこそ,難病を乗り越えてくることができました.しかも私たちには決意とユーモアが必要でした.そして何よりも肺の移植という奇跡をとおして,健康と自由な体に生まれ変わった私たちの姿を,読者の方たちに見ていただきたいのです.読者の皆さんが,各々の生命に思いを馳せ,毎日を生きているとはどんなに尊いことかを意識していただければ,こんなに嬉しいことはありません.私たちはみんな愛しあい,笑いあい,一息一息を楽しんでこそ,生きていけるのですから.
                    
イサベル・ステンツェル・バーンズ
アナベル・ステンツェル



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