レオナルド・ダ・ヴィンチ 絵画の書

「万能の天才」レオナルドの絵画に関するあらゆる論考を収載したウルビーノ稿本全944章の初の画期的日本語訳.

レオナルド・ダ・ヴィンチ 絵画の書
著者 斎藤 泰弘
ジャンル 書籍 > 単行本 > 芸術
刊行日 2014/02/26
ISBN 9784000256636
Cコード 0071
体裁 A5 ・ 638頁
在庫 品切れ
「万能の天才」レオナルドが遺した膨大な手稿より絵画に関するあらゆる論考を収載したウルビーノ稿本は,絵画と諸芸術の比較や画家の教則をはじめ,人体,光と影,植物,雲,地平線など森羅万象の表現法を詳細に論じ,イタリア・ルネサンス絵画研究の最重要文献と目されてきた.本書はその全944章を読み解く初の画期的日本語訳である.


■編集部からのメッセージ
 今日,ヴァティカン教皇庁図書館に保管される手稿本Urb. lat. 1270『絵画の書』は,レオナルド・ダ・ヴィンチの没後,弟子メルツィが,遺された膨大な自筆手稿の中から,絵画に関する論考を選び出しまとめたもので,ルネサンスの万能の天才の創造の秘密を伝える最も重要な歴史的資料と目されています.
 『絵画の書』全944章は,レオナルドの膨大な自筆手稿より書き写されたものですが,自筆手稿自体は没後散逸がはじまり,今日,現存するレオナルドの自筆手稿と照合可能な章は全体の四分の一ほどにとどまります.したがって残る四分の三は,散逸した自筆手稿を知るうえで唯一の資料ということになります.
 17世紀以来,『絵画の書』は,イタリア,フランス,スペイン,ドイツなど各国語版が刊行されてきました.これまで日本でも『絵画論』や『ウルビーノ稿本』の名で親しまれてきましたが,一部分の翻訳がなされただけで,その全貌を捉えることはできませんでした.
 本書は,手稿本Urb. lat. 1270から直接行われた初の全訳版であり,ようやく天才の創造の秘密を探ることが可能となりました.
 《モナ・リザ》や《岩窟の聖母》などの人類美術史上最高の傑作の背後にある天才の思索の跡を辿ることは,ルネサンス芸術を愛するすべての人々に無上の喜びをもたらすに違いありません.
凡 例
第一部 詩と絵画について
第二部 画家の教則について
第三部 人のさまざまな情動と運動,および四肢の比例について
第四部 衣装について.人物像を優美に装わせる方法について.衣装と布地の種類について
第五部 光と影について
第六部 樹木と植物について
第七部 雲について
第八部 地平線について
解 説
あとがき
「絵画の書」章タイトル一覧
斎藤泰弘(さいとう やすひろ)
1946年,福島県会津若松市生まれ.京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学.京都産業大学助教授,京都大学助教授,同大学教授を経て,2010年退任.京都大学名誉教授.イタリア文学・文化研究.主な著作に『レオナルド・ダ・ヴィンチの謎』(岩波書店),主な翻訳書に『ゴルドーニ喜劇集』(名古屋大学出版会)がある.長年,レオナルド・ダ・ヴィンチの手稿のファクシミリ版の刊行に参画,その解読に携わる.
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