総合研究 辛亥革命
辛亥革命百周年記念東京会議での総合的な研究発表をふまえ,単なる報告集ではなく共同論集とした.
著者 | 辛亥革命百周年記念論集編集委員会 編 |
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ジャンル | 書籍 > 単行本 > 歴史 |
刊行日 | 2012/09/27 |
ISBN | 9784000258593 |
Cコード | 3022 |
体裁 | A5 ・ 上製 ・ 函入 ・ 620頁 |
在庫 | 品切れ |
2000年間続いた王朝体制を打倒した辛亥革命とは,何だったのか.政治,経済,外交,社会,ジェンダーといった多角的かつ世界史的な視野から,革命前後の中国及び周辺諸国の実態を総合的に考察する.辛亥革命百周年記念東京会議での研究発表をふまえ,世界各地の代表的研究者による,単なる報告集を超えた共同論集である.
■著者からのメッセージ
辛亥革命百周年を記念して東京で開催された国際会議「グローバルヒストリーの中の辛亥革命」を機縁として成った本書は,『総合研究 辛亥革命』のタイトルを掲げている.
記念史学には,「革命」解釈の主題や争点の変化を通じて,中国近代の歴史叙述の可能性を問い直す手がかりを与えてくれるという効用もある.これによって提起された論点や史実は,認識枠組みがいかほど変化しようと,われわれが批判的に継承してゆくべき貴重な遺産であり資源である.したがって,われわれが本書を編むに際しては,
グローバルな視座をとる立場からすれば,同時代の他国の革命との比較を通じて,辛亥革命の個性もより深く理解され,各国・各地域の革命を規定した構造連関の全体像もより明らかになるだろう.
辛亥革命研究は,いまようやく緒に就いたところである.
■編集部からのメッセージ
2000年間続いた王朝体制を打倒した辛亥革命とは,何だったのか.政治,経済,外交,社会,ジェンダーといった多角的かつ世界史的な視野から,革命前後の中国及び周辺諸国の実態を総合的に考察します.辛亥革命百周年記念東京会議での研究発表をふまえ,世界各地の代表的研究者による,単なる報告集を超えた共同論集です.
お二方の先生からご推薦をいただきました.
毛里和子氏
分かりにくい現代中国を解く一つの鍵は,近代の歴史をもう一度ひもとくことだと思う.幸いに日本の中国近代史研究のレベルはとても高い.本書は,辛亥革命百周年を記念して編集された,日本を中心に世界中の研究者が参集して作り上げたグローバルな成果だ.百年前の事象を浮き上がらせるだけでなく,現代中国への格好の道案内人になってくれるだろう.
山室信一氏
中華の「帝国」から「民国」へ.大きな転回を画した辛亥革命.果たして,その革命は中国社会や隣接する諸民族にいかなる衝撃を与え,現在にどのような課題を残しているのか.本書に結集された多層的で創見に満ちた分析は,こうした問いかけにトランスナショナルな視点から答える歴史叙述の試みとして刺激にあふれている.脱神話化された辛亥革命,それを様々な革命と時空を超えて比較するための確かな礎が,ここに据えられた.
■著者からのメッセージ
辛亥革命百周年を記念して東京で開催された国際会議「グローバルヒストリーの中の辛亥革命」を機縁として成った本書は,『総合研究 辛亥革命』のタイトルを掲げている.
記念史学には,「革命」解釈の主題や争点の変化を通じて,中国近代の歴史叙述の可能性を問い直す手がかりを与えてくれるという効用もある.これによって提起された論点や史実は,認識枠組みがいかほど変化しようと,われわれが批判的に継承してゆくべき貴重な遺産であり資源である.したがって,われわれが本書を編むに際しては,
- 半世紀来の記念史学が蓄積してきた辛亥革命に関する既存の多くの研究成果をその認識枠組みとともに,今日の時点から総括し,批判的に継承すること
- そのために,辛亥革命を世界史的なコンテクストの中に置き,「中国」を越えた広い時空間構造を意識しつつ,さまざまなディシプリンやアプローチを用いて総合的に考究すること
グローバルな視座をとる立場からすれば,同時代の他国の革命との比較を通じて,辛亥革命の個性もより深く理解され,各国・各地域の革命を規定した構造連関の全体像もより明らかになるだろう.
辛亥革命研究は,いまようやく緒に就いたところである.
――本書「序章」より
■編集部からのメッセージ
2000年間続いた王朝体制を打倒した辛亥革命とは,何だったのか.政治,経済,外交,社会,ジェンダーといった多角的かつ世界史的な視野から,革命前後の中国及び周辺諸国の実態を総合的に考察します.辛亥革命百周年記念東京会議での研究発表をふまえ,世界各地の代表的研究者による,単なる報告集を超えた共同論集です.
お二方の先生からご推薦をいただきました.
毛里和子氏
分かりにくい現代中国を解く一つの鍵は,近代の歴史をもう一度ひもとくことだと思う.幸いに日本の中国近代史研究のレベルはとても高い.本書は,辛亥革命百周年を記念して編集された,日本を中心に世界中の研究者が参集して作り上げたグローバルな成果だ.百年前の事象を浮き上がらせるだけでなく,現代中国への格好の道案内人になってくれるだろう.
山室信一氏
中華の「帝国」から「民国」へ.大きな転回を画した辛亥革命.果たして,その革命は中国社会や隣接する諸民族にいかなる衝撃を与え,現在にどのような課題を残しているのか.本書に結集された多層的で創見に満ちた分析は,こうした問いかけにトランスナショナルな視点から答える歴史叙述の試みとして刺激にあふれている.脱神話化された辛亥革命,それを様々な革命と時空を超えて比較するための確かな礎が,ここに据えられた.
序章 グローバルヒストリーの中の辛亥革命 村田雄二郎
総論 辛亥革命とその時代
第一章 東アジアにおける“共和”思想の形成 狹間直樹
第二章 東アジア史上の辛亥革命 裴京漢(柳静我訳)
第三章 辛亥革命期の知識と制度の転換 桑兵(小野寺史郎訳)
第四章 清末から見た辛亥革命 黄克武(青山治世訳)
第一部 政治制度と地域社会 田中比呂志・佐藤仁史
第一章 民国初期の改革と政治的統合の隘路 金子 肇
第二章 都市の民変から辛亥革命へ 巫仁恕(小野泰教訳)
第三章 “善”と革命 山田 賢
第四章 利権回収運動と辛亥革命 佐野 実
第五章 辛亥革命前後の地方教育界 宮原佳昭
第二部 辛亥革命と対外関係 家近亮子・久保 亨
第一章 辛亥革命のインパクトと日本 櫻井良樹
第二章 日本人の辛亥革命観 黄自進
第三章 長崎から見た辛亥革命 川島 真
第四章 醇親王政権の対独接近政策 小池 求
第三部 民族・版図・領土をめぐる相克 川島 真
第一章 辛亥革命とモンゴル 橘 誠
第二章 辛亥革命期のチベット 小林亮介
第三章 取り込まれゆく辺疆 ジェームズ・レイボルド(家永真幸訳)
第四部 清末民初の社会経済 久保 亨
第一章 清末民初における鉱業関連法の整備 富澤芳亜
第二章 辛亥革命前後の中国経済 朱蔭貴(今井就稔訳)
第三章 中・日・米実業団体間の交流 馬敏(吉田建一郎訳)
第五部 清末民初の文化変容 吉澤誠一郎・村田雄二郎
第一章 民国初期の節婦烈女 須藤瑞代
第二章 近代的男性性と民族主義 程美宝(新居洋子訳)
第三章 白話文と社会動員 劉世龍(小野寺史郎訳)
第四章 二〇世紀初頭香港政庁のアヘン政策 古泉達矢
第六部 革命史の再考 深町英夫
第一章 北洋派と辛亥革命 唐啓華(平田康治訳)
第二章 辛亥革命再考 ジョセフ・W・エシェリック(高嶋航訳)
第三章 辛亥革命・記念史学・近代性 ウェンシン・イェ(岩間一弘訳)
あとがきにかえて 久保田文次
編集後記
付録
1 辛亥革命百周年記念東京会議「グローバルヒストリーの中の辛亥革命」プログラム助成団体・個人寄付者一覧
2 辛亥革命百周年記念日本会議組織委員会委員・事務局員一覧
索引(人名・事項)
総論 辛亥革命とその時代
第一章 東アジアにおける“共和”思想の形成 狹間直樹
第二章 東アジア史上の辛亥革命 裴京漢(柳静我訳)
第三章 辛亥革命期の知識と制度の転換 桑兵(小野寺史郎訳)
第四章 清末から見た辛亥革命 黄克武(青山治世訳)
第一部 政治制度と地域社会 田中比呂志・佐藤仁史
第一章 民国初期の改革と政治的統合の隘路 金子 肇
第二章 都市の民変から辛亥革命へ 巫仁恕(小野泰教訳)
第三章 “善”と革命 山田 賢
第四章 利権回収運動と辛亥革命 佐野 実
第五章 辛亥革命前後の地方教育界 宮原佳昭
第二部 辛亥革命と対外関係 家近亮子・久保 亨
第一章 辛亥革命のインパクトと日本 櫻井良樹
第二章 日本人の辛亥革命観 黄自進
第三章 長崎から見た辛亥革命 川島 真
第四章 醇親王政権の対独接近政策 小池 求
第三部 民族・版図・領土をめぐる相克 川島 真
第一章 辛亥革命とモンゴル 橘 誠
第二章 辛亥革命期のチベット 小林亮介
第三章 取り込まれゆく辺疆 ジェームズ・レイボルド(家永真幸訳)
第四部 清末民初の社会経済 久保 亨
第一章 清末民初における鉱業関連法の整備 富澤芳亜
第二章 辛亥革命前後の中国経済 朱蔭貴(今井就稔訳)
第三章 中・日・米実業団体間の交流 馬敏(吉田建一郎訳)
第五部 清末民初の文化変容 吉澤誠一郎・村田雄二郎
第一章 民国初期の節婦烈女 須藤瑞代
第二章 近代的男性性と民族主義 程美宝(新居洋子訳)
第三章 白話文と社会動員 劉世龍(小野寺史郎訳)
第四章 二〇世紀初頭香港政庁のアヘン政策 古泉達矢
第六部 革命史の再考 深町英夫
第一章 北洋派と辛亥革命 唐啓華(平田康治訳)
第二章 辛亥革命再考 ジョセフ・W・エシェリック(高嶋航訳)
第三章 辛亥革命・記念史学・近代性 ウェンシン・イェ(岩間一弘訳)
あとがきにかえて 久保田文次
編集後記
付録
1 辛亥革命百周年記念東京会議「グローバルヒストリーの中の辛亥革命」プログラム助成団体・個人寄付者一覧
2 辛亥革命百周年記念日本会議組織委員会委員・事務局員一覧
索引(人名・事項)
小野寺史郎(おのでら しろう)
京都大学人文科学研究所助教
久保 亨(くぼ とおる)
信州大学人文学部教授
中村元哉(なかむら もとや)
津田塾大学学芸学部准教授
深町英夫(ふかまち ひでお)
中央大学経済学部教授
村田雄二郎(むらた ゆうじろう)
東京大学大学院総合文化研究科教授
京都大学人文科学研究所助教
久保 亨(くぼ とおる)
信州大学人文学部教授
中村元哉(なかむら もとや)
津田塾大学学芸学部准教授
深町英夫(ふかまち ひでお)
中央大学経済学部教授
村田雄二郎(むらた ゆうじろう)
東京大学大学院総合文化研究科教授