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![]() 新聞やテレビに限らず,政党支持は世論調査における定番の質問項目である.何党を支持するのかという質問は,戦直後にマスコミによって世論調査が本格的に行われるようになった草創期に始まって,現在に至るまで連綿と続けられてきた.それにもかかわらず,
世論調査で「どの政党を支持していますか」と聞くのはもう止めよう
というのが本書のメッセージである.
なぜか.裸の王様を叫んでいるように映るかもしれないが,政党支持概念とは,実は専門家の間でも何を指しているのか明確な合意のない,プラスチック・ワードだからである.(中略)本書は,決して一般的,総称的な意味での政党支持概念の重要性を毀損するものではない.むしろ本書の真意は,人びとの既成政党離れが巷間喧しく論じられる今こそ,これまで半世紀以上にわたって選挙研究や世論研究で大切に育まれてきた政党支持概念の要諦を再確認する点にある.ただ,そのためには従来以上に政党支持概念を彫琢することが必要であり,こうした作業の結果,「支持」という語を用いて同概念を操作化すること,即ち世論調査を行う際に「どの政党を支持するか」と質問するのは避けるべき,というのが著者の主張である. ――「はじめに」より
谷口将紀(たにぐち まさき)
1970年神奈川県生まれ
1993年東京大学法学部卒業
現在東京大学大学院法学政治学研究科教授,博士(法学)
主な著書に,『日本の対米貿易交渉』(東京大学出版会,1997年),『現代日本の選挙政治』(東京大学出版会,2004年)などがある.
はじめに
Ⅰ 政党支持とは何か
第1章 政党支持概念の多義性
Ⅱ 政党支持概念の歴史
第2章 戦後世論調査における支持概念
第3章 明治・大正・昭和戦前期における「支持」概念
Ⅲ 政党支持の構造
第4章 投票意図政党
第5章 感情温度による政党評価
第6章 長期的党派性
補論
Ⅳ 政党支持の応用研究
第7章 政党認知と党派性――政党スキーマ論を手掛かりに
第8章 無党派層概念の再検討
おわりに
参考文献
あとがき
索 引
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