1990年代にソ連邦の消滅という「大変動」が生じ,20世紀を左右する要因のひとつだった社会主義をどう見るかに拘わらず,多くの人はそれまでの世界観の修正をせまられた.しかも,戦争の世紀だった20世紀よりもましな世紀への期待も,21世紀の開幕とともに裏切られて今日に至っている.そうした状況の中で希望を紡ぐには,歴史を,なかんずく世界史を確実な史料に基づいて改めて見直すことが役立つであろう.
日本における世界史構想の試みは,第2次世界大戦後,まず歴史教育の場での努力の中から生まれた.歴史研究者も,それまでの中国・ヨーロッパ中心の枠を大きく越えて,世界の様々な地域に視野を広げていった.日常生活や,
国民国家の枠には収まらないさまざまな集団にも目を向けるなど,視角の点でも大きな変化があった.
そのような現状を配慮しながら,530名もの専門家の協力を得,
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| A5判・上製カバー・平均430頁 |
10年の年月をかけて実現したのがこの「世界史史料」である.多様な性格の,その時代・社会を照射するような史料を選び,原典に基づいて紹介した.日本の歴史学界ならではの画期的な史料集だと自負している.教育と研究の場でおおいに活用して頂きたい.
2006年10月