シリーズ いくつもの日本

本シリーズの特色/各巻の目次

刊行にあたって


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【本シリーズの特色】
歴史学・民俗学・考古学・宗教学・文学・社会学などから多角的・学際的に日本像へアプローチする,画期的なシリーズです.
学問の最前線の成果を反映すべく,意欲的な若手・中堅研究者が多数執筆しています.
各巻末にアクセスガイド(博物館・遺跡・データベースなどの案内),ブックガイド(参考文献の紹介)を付し,さらなる手引きとなるよう工夫しています.



【各巻の目次】
 
I
日本を問いなおす
 

日本とは何か,日本人とは誰か.「ひとつの日本」から「いくつもの日本」へ,新たな民族史的景観を開く.
(1) 総論
日本像の転換を求めて――方法としての「いくつもの日本」へ 赤坂憲雄
(2) 多様性の発見
日本列島の人類史 埴原恒彦
ボカシの地域とは何か 藤本 強
植生と民俗――常葉広葉樹林と落葉広葉樹林から 野本寛一

(3) 境界を超えて
蝦夷とアイヌ 工藤雅樹
琉球文化圏と琉球王国の形成 安里 進
丸木舟と筏舟――列島から海のアジアを眺めてみれば 出口晶子

(4) 見いだされた日本
近代日本の自己認識 中村生雄
「狭義の日本人」と「広義の日本人」
  ――山路愛山『日本人民史』をめぐって
 イ・ヨンスク
方法としての地域――東北史像をめぐって 菊池勇夫



 
II
あらたな歴史へ
  豊かな歴史像を創造しよう.文献中心の方法を脱却し,モノや技術から浮上する生活の諸相を重視する.
(1) 総論
ヤマト中心史観を超えて 原田信男
(2) 文字と歴史
文字の受容と歴史記述 呉 哲男
廃棄された文字の世界――漆紙文書・木簡・墨書土器 鐘江宏之
語り継がれる歴史と時間――アイヌの歴史認識を手がかりとして 奥田統己

(3) モノが語る歴史
京都――近世都市京都と町家 内田好昭
鎌倉 齋木秀雄
江戸――文化の変容 古泉 弘
平泉 羽柴直人
博多 大庭康時
上ノ国 松崎水穂

(4) 環境と技術
列島の環境史 辻誠一郎
漆の技術と文化――出土漆器の世界 四柳嘉章
農書が語る創意と工夫 堀尾尚志


 
III
人とモノと道と
  日本は完結した領域ではなく,地域も閉じられた空間ではない.その交流の歴史と実態を明らかにする.
(1) 総論
列島内外の交流史 村井章介
(2) 海峡・半島・内海
海峡論 I 宗谷・津軽海峡と北の世界 斉藤利男
海峡論 II 対馬・朝鮮海峡 佐伯弘次
能登の半島世界 小嶋芳孝
内海論 I ある禅僧の見た瀬戸内海 山内 譲
内海論 II 琵琶湖 木村至宏

(3) モノと文化の道
貝をめぐる交流史 高梨 修
「海上の道」と南九州および南西諸島の民俗―七島正月とショチョガマと 川野和昭
水の交通史―中世を中心に 綿貫友子
近代の交通革命 西大和

(4) 市と交易
縄文時代の交流・交易 岡田康博
貨幣構造とその変遷 栄原永遠男
江戸期の市場経済―市場秩序と市場のネットワーク 宮本又郎
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IV
さまざまな生業
  人びとはどのように生きてきたか.水田稲作に限らない生業の実態を明らかにし,その民俗の特質を探る.
(1) 総論
列島の生業史 原田信男
(2) 食料の獲得
日本稲作と複合生業――その意義と現在 安室 知
狩猟と焼畑 永松 敦
飢饉と救荒食 六車由実

(3) 生業の諸相
マタギ論――市場と生態系の狭間に生きる 田口洋美
木地屋をめぐる諸説 須藤 護
川の民の世界――殺生と漂白 伊東久之
「サンカ」概論 山本崇史
海に生きる人々――豊島の「家船」 金 柄徹
屠畜と皮革――前近代を中心として 寺木伸明
境界を越える商人――文学と絵画にみる商人の源流 久野俊彦
テキヤ・ヤクザ考 神崎宣武


 
V
排除の時空を超えて
 

この列島には排除されてきた人びとや家・集団が存在する.日本社会に潜む差別構造の本質をえぐり出す.
(1) 総論
ヒジリの精神史――天皇と毛坊主をめぐる原風景のなかへ 赤坂憲雄
(2) 表象としての天皇
囚われの聖童たち――諏訪祭政体の大祝と神使をめぐって 山本ひろ子
貴種流離譚と落人伝説 三浦佑之
天皇と植民地 川村 湊
(3) 差別の根源へ
「穢れ」と差別 門馬幸夫
芸能における差別と同化――芸人とやくざと「国民」と 兵藤裕己
「賤民」の文化史序説――朝鮮半島の被差別民 野村伸一
(4) 近・現代の差別
ヤマトゥのなかのウチナーンチュ 仲間恵子
「在日韓国朝鮮人」とは誰か――近代性の終焉 鄭 暎惠
近代日本の〈厄介な人〉,〈気になる人〉,〈変な人〉
  ――麻原彰晃への旅,麻原彰晃からの旅 廣瀬浩二郎

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VI
女の領域・男の領域
  日本社会では女と男の領域は厳然と区別されてきた.その具体相から日本文化の多面性を浮き彫りにする.
(1) 総論
社会・文化イメージにおける女と男 三浦佑之
(2) 差別される性
出産における女と男 新村 拓
女人禁制と現代 鈴木正崇
“卑弥呼たち”の物語――女と男/公と私 義江明子

(3) 家族における女と男
古代の家族 田中良之
アイヌにおける母系と父系 藤村久和
オキナワにおける兄妹の紐帯――琉球弧のヲナリ神 島村幸一

(4) 文化としての性
性の越境――中世の宗教/芸能/物語における越境する性 阿部泰郎
堕胎・間引きから水子供養まで――日本の中絶文化をめぐって 荻野美穂
性の民俗――ワイセツの近代 川村邦光


 
VII
神々のいる風景
  多様な神々や宗教とともに生きた列島を捉え,時代による「聖」と「異界」のイメージの変容を解明する.
(1) 総論
神と仏と人と 中村生雄
(2) 神としての自然
異郷に住む動物たち 中村禎里
イオマンテという送りの思想 中路正恒
動物祭祀 松井 章

(3) 死と他界
死と他界の始原 辰巳和弘
戦死者の記憶/戦死者の行方 矢野敬一
東アジアの死霊結婚 松崎憲三

(4) 変容する神々
北の神々,南の神々 松居 友
越境する神々――インターネットから見る宗教の「国際性」 土佐昌樹
現代の祭りと神の不在 阿南 透

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