グーテンベルクの森

経済学への道

若い頃からの読書体験と40年間に及ぶ経済学遍歴の物語を通して,経済学を学ぶことの意味と意義を伝える.

経済学への道
著者 佐和 隆光
ジャンル 書籍 > 単行本 > 評論・エッセイ
シリーズ グーテンベルクの森
刊行日 2003/10/28
ISBN 9784000269834
Cコード 0095
体裁 四六 ・ 上製 ・ カバー ・ 212頁
在庫 品切れ
著者が大学に進学した1960年代前半期には,理工系ブームが最高潮に達していた.時流に逆らって著者が経済学を専攻するに至ったのは,比較的早熟な読書体験が社会科学への関心を駆り立てたからであった.経済学の移り変わりは激しい.40年間にわたる経済学遍歴を物語ることにより,経済学を学ぶことの意味と意義を読者に伝える.

■著者からのメッセージ

私が大学に進学した1960年代前半期には,理工系ブームが最高潮に達していた.時流に逆らって私が経済学を専攻するに至ったのは,比較的早熟な読書体験が私の社会科学への関心を駆り立てたからだ.経済学の移り変わりは激しい.40年間にわたる私の経済学遍歴を物語ることにより,経済学を学ぶことの意味と意義を読者に伝えたい.

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今日の日本では「グーテンベルクの森」に酸性雨が降り注いでいる.(略)1990年代のことを「失われた10年」というが,私たちが失ったもののひとつは「知の尊厳」と「知への畏敬の念」である.(略)グーテンベルクの森を枯れ木だらけにしたり伐採したりしてはならない.本書が「グーテンベルクの森」蘇生のための一助となることを心から願いたい.
(本書「あとがき」より)
佐和隆光(さわ たかみつ)
京都大学経済研究所所長.
1942年に和歌山県高野山で生まれる.小中高校時代を京都市内で過ごし,1961年に東京大学教養学部に入学.経済学部を経て,同大学院経済学研究科修士課程修了.博士課程を中退して1967年に東京大学経済学部助手に就任.1969年に京都大学経済研究所助教授.70年に『計量経済学の基礎』として出版された博士論文で東京大学経済学博士号を取得.70年から71年にかけて,スタンフォード大学数理社会科学研究所のリサーチアソシエイトを勤める.75年にイリノイ大学客員准教授となり,翌年から78年にかけてイリノイ大学教授を勤める.80年より京都大学経済研究所教授となり今日に至る.この間,同研究所所長,国立情報学研究所副所長,臨時行政改革推進議会専門委員,中央環境審議会委員,国民生活審議会委員,交通政策審議会委員等を歴任する.
一貫してリベラルな立場から社会的な発言を続ける.
著書に,『経済学とは何だろうか』『地球温暖化を防ぐ』『市場主義の終焉』(以上,岩波新書)『文化としての技術』『成熟化社会の経済倫理』『経済学における保守とリベラル』(以上いずれも小社刊)『形態と構造』(共著)『尊厳なき大国』『平成不況の政治経済学』『漂流する資本主義』『経済学の名言100』など多数.訳書に『ハードヘッド&ソフトハート』『第三の道』『暴走する世界』『自然資本の経済』などがある.

書評情報

産経新聞(朝刊) 2003年11月30日
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