リーディングス 戦後日本の思想水脈 第1巻

平和国家のアイデンティティ

「平和国家」像の源泉を辿り,保革のあいだにある入り組んだ系譜や,戦前と戦中の議論の隠れた継承関係を抉り出す

平和国家のアイデンティティ
著者 酒井 哲哉
ジャンル 書籍 > シリーズ・講座・全集
シリーズ リーディングス 戦後日本の思想水脈
刊行日 2016/06/10
ISBN 9784000270335
Cコード 0320
体裁 A5 ・ 上製 ・ カバー ・ 358頁
在庫 品切れ
日本の戦後思想の根幹たる「平和国家」という自己像はどのように形成され,展開されてきたのか.保守と革新のあいだにある入り組んだ思想的系譜や,戦前と戦中の議論の隠れた継承関係を抉り出す.
 刊行にあたって
 凡例

Ⅰ 終戦から講和へ
 国際民主生活の原理(一九四六年) ………横田喜三郎
 文化国家の理念(一九四六年)………高山岩男
 三たび平和について(一九五〇年)………平和問題談話会

Ⅱ 革新ナショナリズムの形成
 二つの世界とアジアの課題(一九五一年)………蠟山政道
 世界史における現代のアジア(一九五五年)………上原專祿
 革新ナショナリズム試論――新たな国民像を求めて(一九六〇年)………坂本義和

Ⅲ 現実主義論争とその背景
 中立日本の防衛構想――日米安保体制に代るもの(一九五九年)………坂本義和
 現実主義者の平和論(一九六三年)………高坂正堯
 日本民族について(一九六四年)………大熊信行
 憲法第九条をめぐる若干の考察(一九六五年) ………丸山眞男

Ⅳ 変容する思想空間
 東京裁判・戦争責任・戦後責任(一九八四年) ………大沼保昭
 日本はみずからの来歴を語りうるか――「世界史の哲学」とその遺産(一九九〇年)………坂本多加雄
 なぜ、平和のリアリズムか――『平和のリアリズム』序(二〇〇四年)………藤原帰一
 《コラム》アイデンティティをめぐる抗争――T・M - スズキ「批判的想像力の危機」を読む

〈解説〉 理想主義と現実主義の交錯―戦争・平和・アジアをめぐって …酒井哲哉

 採録作品一覧・著者略歴
酒井哲哉(さかい てつや)
1958年生.東京大学大学院総合文化研究科教授.日本政治外交史,国際関係思想史,外交論.

書評情報

毎日新聞(朝刊) 2016年8月17日
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