ことばのために

大人にはわからない日本文学史

一葉からケータイ小説まで,文学の過去と現在を結びつける,来るべき千年のための日本文学史序説.

大人にはわからない日本文学史
著者 高橋 源一郎
ジャンル 書籍 > 単行本 > 文学・文学論
シリーズ ことばのために
刊行日 2009/02/20
ISBN 9784000271011
Cコード 0395
体裁 四六 ・ 並製 ・ カバー ・ 212頁
在庫 品切れ
過去の堆積としての文学史を語り直すでもなく,文学史と無関係に新しい小説を読むのでもない.一葉からケータイ小説まで,”リアル”を刻み続けた百年の営みの,過去と現在とを対話させるすべはないだろうか? 著者年来の宿題がいまついに試みられた,来るべき千年のための日本文学史序説.

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いま,この時代に,〈ことば〉を生きるとは,どういう経験なのか.

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台詞は,くさい,ださい,わざとらしい.ふつうの〈ことば〉とは乖離している.私たちはそんなふうには話さないし,そんなことは話さない.どうしてこうなってしまったのか.近代演劇の受容と展開の歴史に,その秘密をさぐる.

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知らず知らずのうちに私たちは,暮らしのなかで,詩の〈ことば〉を生きている.でもそれは,特別なことではない.その意味を考えることは,あなたと世界の新しい関係を知ることにつながっている.〈ことば〉は,なにを囁きかけているのか.

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ふつうの人は,誰も批評なんて知らないし,関心もない.でも,そこにはなにか,つながりがあるはず.ふつうの人にとって,〈ことば〉はどういう意味をもつのか――人々の生きる場所で,〈ことば〉としての批評の生き方を考える.

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「おじさん」という,わかりにくい人たちのセンスはどうなっているの? 若い人たちは,おじさんの読むものに関心を示さず,おじさんはそのことに無自覚だ.この断絶はどこからやってきたのか.そのメンタリティを徹底分析.

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大人にはわからない日本文学史 高橋源一郎

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私たちの〈ことば〉は,どこからやって来て,どこに行くのか……物語の主人公は文学史,時代は幕末・明治の激動期.語り手は,ブンガクを愛しては当代屈指のこの作家.固有名は忘れて読んでほしい,波瀾万丈の叙事詩.

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荒川洋治・加藤典洋・関川夏央・高橋源一郎・平田オリザ 編

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いま,どんな〈ことば〉が活き活きとしているのか――5人が選んだ,ちからのある〈ことば〉のアンソロジーに,それぞれの編者がユニークな解説を付す.

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「ことばのために」のために

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ことばのために――編集委員の5人が詩,演劇,小説,物語,批評をめぐり,いま,この時代に,ことばを生きるというのがどういう経験であるのかについて,ひたすらこの6人目の仲間であることばと向き合い,対話をかわすことで,そこでことばに教わったことを,書いてみました.
 面白いし,ためになるし,また少しだけ,高い山の空気にふれられる.
 どんな時代でも,ことばは「すじこ」を「いくら」にほぐすときみたいに,私達を「ひとりひとり」にばらしてくれます.孤独にする.それがことばのよいところ.さあ,手にとって下さい,5冊のこの,ばらばらな本を.
 
高橋源一郎(たかはし げんいちろう)
1951年,広島県に生まれる.作家.1981年,『さようなら,ギャングたち』(講談社)で群像新人長編小説賞優秀作受賞.1988年,『優雅で感傷的な日本野球』(河出書房新社)で第1回三島由紀夫賞受賞.2002年『日本文学盛衰史』(講談社)で伊藤整文学賞を受賞.そのほか主な著作に,『虹の彼方に』(中央公論社,1984年),『ジョン・レノン対火星人』(角川書店,1985年),『ぼくがしまうま語をしゃべった頃』(宝島社,1985年),『文学じゃないかもしれない症候群』(朝日新聞社,1992年),『ゴーストバスターズ――冒険小説』(講談社,1997年),『官能小説家』(朝日新聞社,2002年),『一億三千万人のための小説教室』(岩波新書,2002年),『ニッポンの小説――百年の孤独』(文藝春秋,2007年),訳書にジェイ・マキナニー『ブライト・ライツ,ビッグ・シティ』(新潮社,1988年)など.現在,明治学院大学国際学部教授.

書評情報

キリスト新聞 2009年5月2日号
週刊読書人 2009年5月1日号
朝日新聞(朝刊) 2009年4月28日
読売新聞(夕刊) 2009年4月6日
熊本日日新聞(朝刊) 2009年3月22日
日本経済新聞(夕刊) 2009年3月11日
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