骨盤臓器脱 QOLを高めるために

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治せる病気なのに,あきらめていませんか?

著者からのメッセージ

 最近は高血圧症,高脂血症,糖尿病などの生活習慣病やメタボリック症候群についてはよく知られるようになり,多くの人たちがその予防に努めるようになりました.しかし残念ながら,同じように40歳以降の多くの女性を悩ます骨盤臓器脱については,まだよく知らない方が多いのが現実ではないでしょうか.また長い間悩んでいながら,性器に関係する病気のために,羞恥心で受診をためらわれる方も少なくありません.
 そこで私は「患者さんが自分の病気を正しく理解し,自分の意思で適切な治療を受けるのに必要な情報をわかりやすくお伝えする」ために,この本を書きました.骨盤臓器脱は直接命にかかわることはありませんが,「quality of life(QOL)=生活の質」を損なう病気です.したがって,医師の説明を納得するまでよく聞いて,慌てることなく,自分にあった最良の治療法を選べば良いのです.幸い本書でご紹介したように最近の治療法の進歩には目覚ましいものがあり,治療後の再発も大変少なくなりました.さらに患者さんの負担が少ない,メッシュを使用した新しい手術法などの選択肢が加わりました.つまり自分の生活スタイルにあわせて,治療法を選べるようになったのです.どうぞ,少しだけ勇気をもって専門医の診察を受けてください.骨盤臓器脱で悩む多くの女性が,最良で,かつ満足できる治療を受け,一日も早く快適な生活を送れるようになるために,本書がお役に立てば望外の喜びです.

(本書「あとがき」より)


骨盤臓器脱の原因


著者略歴

橋 悟(たかはし さとる)
日本大学医学部泌尿器科学系主任教授.1961年生まれ.85年群馬大学医学部卒業,98年東京大学医学部泌尿器科講師,03年東京大学医学部泌尿器科助教授,05年より現職.日本女性骨盤底医学会,日本排尿機能学会理事.日本泌尿器科学会,日本癌治療学会,日本老年泌尿器科学会,日本Endourology・ESWL学会,日本性機能学会,日本Men's Health医学会,日本レーザー医学会評議員.著書に『よくわかる前立腺の病気』(岩波アクティブ新書),『尿失禁はこうして治す』(こう書房),『排尿異常の治療法』(共著,先端医療技術研究所)などがある.


目次

I どのような病気なのか
  骨盤臓器脱とは
  こんな症状に注意!
  患者数は予想以上に多い
  快適な生活を取り戻すために
II 病気の起きるメカニズムと要因
  骨盤臓器を支える構造
  弱ってくる場所によって骨盤臓器脱の種類が違ってくる
  骨盤臓器脱を起こしやすい要因
III 骨盤臓器脱の診断
  受診は専門医のいる病院を
  まずは問診票の記入から
  問診で聞かれること
  診察はどのように行われるのか
  骨盤臓器脱のステージ――POP−Q分類法
  検査の目的を理解する
IV 骨盤臓器脱の治療
  自分にあった治療法を選ぶ
  軽症の人の治療のポイント
  ペッサリーを使った治療法
  薬物による治療法
  根本的な治療法は外科的手術
  体にやさしい最新TVM法
  TVM法の手術方法
  膣前方TVM法の実際
  膣後方TVM法の実際
  膣断端脱に対するTVM法(totalTVM法)の実際
  手術前に注意すること
  手術後に注意すること
  手術成績から明らかな改善がわかる
  起こる可能性のある合併症
V 骨盤臓器脱の予防法
  骨盤底をいたわる
  妊娠中や出産後のケア
  骨盤底をきたえる――骨盤底筋体操
あとがき
付録 骨盤臓器脱に関する相談窓口・サイト
  TVM手術を行っているおもな病院
索引  



骨盤底をいたわる




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