双書 哲学塾

パラドックスの扉

知ることにはパラドックスが付随する.パラドックスの扉を次々と開けていく哲学の面白さを味わえる講義.

パラドックスの扉
著者 中岡 成文
ジャンル 書籍 > 単行本 > 哲学
シリーズ 双書 哲学塾
刊行日 2007/12/05
ISBN 9784000281607
Cコード 0310
体裁 B6変 ・ 上製 ・ カバー ・ 154頁
在庫 品切れ
知とは無知の状態に線を引いて何かを明らかにすることですが,同時に他の何かを覆い隠してしまいます.無知から脱却しようとすれば,さまざまなパラドックスに遭遇する.哲学のトピックスを挙げながらパラドックスの扉を次々に開けていくと,「知ること」について知ることが深まっていく.やっぱり哲学は面白い! 納得の講義.

■著者からのメッセージ

中岡成文
 あたりまえだが,私も最初は哲学のしろうとだった.高校のときやさしい哲学の歴史を読んで哲学に目を開かれた.大学に入ってヘーゲルと出会い,卒業論文,修士論文で彼と対話し,彼と対決して,哲学の研究者となった.その後私の哲学世界は広がったが,それでも自分の「本籍地」はヘーゲルだと思っている.
 他方で,哲学の教師として大学で教え,給料をもらうとはいったい何なのかという問いもずっとつきまとってきた.哲学を「プロ」のわざに押し込めていいのか.その問いが私を臨床哲学の実践へと導いた.そしていま改めて「アマチュア」に戻りたいという気持ちが動いている.だれでもみな「時代の子」(ヘーゲル)なのであり,水平的で双方向的な知の交換(交感・交歓)が待ち望まれている.哲学には特定の「型」がない.そのよさを哲学のフォーラム(広場)ないしアリーナ(闘技場)で生かせないか.そのなかで30年余の年期を積んだ修練をも見せたい.これは私から読者への挑戦でもある.
中岡成文(なかおか なりふみ)
1950年生まれ.大阪大学大学院文学研究科教授.専攻,哲学・倫理学.
著書:『臨床的理性批判』(岩波書店),『私と出会うための西田幾多郎』(出窓社),『ハーバーマス――コミュニケーション行為』(講談社)ほか.
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