占領期雑誌資料大系 大衆文化編 全5巻

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鶴見俊輔
(評論家)
手がかりとしてのプランゲ文庫
 敗戦と占領に対するとまどいは,日本人にひろくあった.そのとまどいとともに,とまどいをつきやぶって「リンゴの唄」や「虎の尾を踏む男達」の名作があらわれた.これに対する占領軍の検閲にも,期待があり,とまどいがあった.プランゲ文庫は,その総体を保有し,敗戦後の日本人の心のありかへとさかのぼる確実な手がかりをあたえる.
 当時の経験者をこえて,この手がかりをつたって過去にふみいる人のあらわれることを.

ジョン・W.ダワー
(マサチューセッツ工科大学教授)
占領下日本人の躍動的草の根活動
 政治家やエリート官僚などを中心に語られがちな日本占領を大衆文化から語る『占領期雑誌資料大系』は素晴らしい企画である.敗戦後の苦難の時期は,同時に戦争の桎梏から平和の歓びを取り戻した時代でもあった.社会のあらゆる側面で“出直し”が図られ,大衆文化は出版,映画,放送,編集者への手紙,漫画,スポーツ,音楽,演劇などあらゆる形式で花開いた.それら躍動的な草の根活動を抜きに,戦後日本での平和や民主主義の意味を語ることは不可能である.


特色
メリーランド大学プランゲ文庫が所蔵する,1945年9月から1949年11月頃までに日本各地で発行されたあらゆる雑誌の記事を精選したもの700件余りを配列した.
記事の選定にあたっては,著名な書き手・文化人・芸能人だけでなく,庶民の声や地方で発行された雑誌メディアにも注目した.
記事は,雑誌発表時の形を再現することを原則とし,検閲官の指示や書き込みのメモも忠実に再現した.
写真・イラスト・漫画・グラビアなど,ヴィジュアルな記事については,雑誌そのままの版面あるいは図版部分を複写して採録し,カラー頁のものはなるべくカラー印刷で再現した.
各記事に書誌及び内容に関する解題を付した.また各巻ごと,及びその各章ごとに解説を付した.
各巻の付録として「データが語る占領」と題して占領期に発行された雑誌についてのデータや定量分析を加えた.
各巻に月報(8頁)を付載し,占領期大衆文化研究の動向,占領期当時を知る当事者の証言などの記事を掲載する.
最終巻に陸奥陽之助製作によるドキュメンタリー映画『日本敗れたれど』の完全版DVDを付す.
大衆文化編完結後に引き続いて,文学編を刊行する.




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