全巻構成/特色/編集委員
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目次
「自由」
をキー・コンセプトに,
8つのテーマから新しい社会像を描く
編集にあたって
日本の社会は近年の
格差と貧困
の拡大に敏感に反応しています.規制緩和など
の思想に沿った自由の解釈は,相互の自由を可能にしてきたのではなく,自由のかたよったあり方をうみだしてきたのではないか.
自己責任
や自立を過度に強調する自由の主張は,社会の問題を個人の問題として受けとめさせることにより,一人ひとりの生に重すぎる負荷をかけてきたのではないか.
本シリーズは,
自由
をキー・コンセプトとして現代社会の問題状況を具体的に明らかにするとともに,私たちが自由を相互に享受することを可能にする規範や制度のあり方を探求する試みです.もちろん,自由という概念はきわめて論争的な概念であり,多様な解釈を避けられません.このシリーズも,自由の一義的な考え方を示そうとするものではありません.そのうえで,
社会統合
,
社会保障
,
公共性
,
コミュニケーション
,
教育
,
労働
,
家族
,
生
という八つの問題領域において,どのような規範や制度が誰のどんな自由を可能にし,逆に誰のどんな自由を制約し奪っているのかを具体的に問い返しながら,同化や排除のない,より
公正な自由
はどのように考えられるべきかを構想するものです.
各論考が,読者の皆様ご自身による「自由への問い」に少しでも資することを願います.
2009年8月
編集委員一同
社会統合
自由の相互承認に向けて
社会保障
セキュリティの構造転換へ
公共性
自由が/自由を可能にする秩序
コミュニケーション
自由な情報空間とは何か
教育
せめぎあう「教える」「学ぶ」「育てる」
労働
働くことの自由と制度
家族
新しい「親密圏」を求めて
生
生存・生き方・生命
特色をひとことで言うと?
「自由」という切り口から現代社会の諸問題を横断的に考える初めてのシリーズです.
執筆者は?
政治学,政治思想,社会学,法学,教育学,経済学,哲学など第一線の研究者のほか,法律実務家や作家,NPO関係者なども加わり,20代,30代の若い執筆陣も含めてさまざまな領域の人が執筆します.
読者層は?
一般読者,研究者はもちろん,教養課程以上の大学生のサブテキストとしても最適.わかりやすく読みやすい記述です.
各巻の構成は?
次のような4部構成です.
I 「対論」
…巻のねらいをめぐる編集委員同士の対談
II 「考察」
…テーマごとの理論的な考察
III 「問題状況」
…個別的なケーススタディ
IV 「構想」
…現状分析をふまえた今後の展望
齋藤純一
(さいとう・じゅんいち)
早稲田大学政治経済学術院教授.政治理論,政治思想史
宮本太郎
(みやもと・たろう)
北海道大学大学院法学研究科教授.比較政治,福祉政策論
阪口正二郎
(さかぐち・しょうじろう)
一橋大学大学院法学研究科教授.憲法,比較憲法
北田暁大
(きただ・あきひろ)
東京大学大学院情報学環准教授.理論社会学,メディア史
佐藤俊樹
(さとう・としき)
東京大学大学院総合文化研究科教授.比較社会学,日本社会論
岡野八代
(おかの・やよ)
同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授.現代政治理論
加藤秀一
(かとう・しゅういち)
明治学院大学社会学部教授.社会学,性現象論