編集にあたって/全巻構成/特徴/編者紹介
|
■ 編集にあたって 安田常雄
すでに敗戦から数えれば70年近く,高度経済成長のピークからでも40年以上が経過した.いま日本は政治・経済に始まり,社会や文化などの領域でも,混迷と閉塞に履われ,容易に展望を語ることができない状況にある.しかしそうした状況であるからこそ,あらためて私たちの生きてきた「戦後日本」について,その根元にあったものを多角的にとらえ直す必要があると考えている.昨年の東日本大震災や原発事故の発生も,「戦後日本」の再検討を要請している.本シリーズでは,主に1960〜80年代を中心に,前後の時代にも目配りしながら,この時代を生きた人びとの現場の経験を軸に,その多層にわたる問題性を考えたい.そのとき,核心におかれるのは,崩れゆく社会のなかからのもう一つの社会の再建であり,それを粘り強く考える構想力の復元といえるだろう.その意味で本シリーズは,同時代を生きた人びとと共に,日本現代史を学び直す新しい試みである.
■ 全巻構成
第4巻 社会の境界を生きる人びと
――戦後日本の縁
■ 本シリーズの特徴
本シリーズでは,「戦後」を,高度経済成長期を軸に社会のあり方にゆるやかな連続性を見て取ることができる時代――1950年代の占領終結から大衆消費社会が形成され,それが成熟する1980年代まで――としてとらえる.
戦後日本社会のあり方やその変容を,そこに生きた人びとのさまざまな経験に即した歴史として描き出す.
各巻の巻頭と巻末に,編者による「戦時から戦後へ」と「〈現在〉からの問い」を付し,占領期を含む前史を考察するとともに,いま「戦後」を問うことの意味をあらためて論じる.
■ 編集
安田常雄(やすだ つねお)
神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科特任教授
■ 編集協力
大串潤児(おおぐし じゅんじ)
信州大学人文学部准教授
高岡裕之(たかおか ひろゆき)
関西学院大学文学部教授
西野 肇(にしの はじめ)
静岡大学教育学部准教授
原山浩介(はらやま こうすけ)
国立歴史民俗博物館准教授
|