シリーズ 日本の安全保障 全8巻

全巻構成/特色/刊行にあたって/プロフィール

目次


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■ 全巻構成








第8巻 グローバル・コモンズ 〈最終回/10月28日発売〉


■ 特色

◎ 日本の安全保障のあり方に関心のある一般読者・学生・研究者・ジャーナリスト・政策担当者などへ向けて,気鋭の著者陣が執筆.

◎ 伝統的な国家安全保障を再検討し,東アジアの緊張緩和の道筋をさぐる.沖縄,中国,朝鮮半島に焦点をあてた構成.

◎ 生命や生活を脅かす様々なリスクに目を配り,人間の安全を確保するためのリアルな構想を打ち出す.


■ 刊行にあたって

 いま,日本の安全保障のあり方を根底から問い直さねばならない.
 グローバルなパワーシフトは,東アジアでも軋みを生み出している.各国間の相互不信が根深いこの地域では,政治的緊張が募り,一歩間違えれば軍事的衝突すら起こりかねない状況にある.そうした現状において,日本では,伝統的な安全保障観に基づいて,防衛力の増強,集団的自衛権の行使容認,日米安保体制の強化,そして沖縄における海兵隊基地の新設など,抑止力を強化する方向性が追求されている.しかし,自ら政治的・軍事的緊張を激化させることが,日本の安全を向上させるであろうか.厳しい緊張関係があるからこそ,容易ではなくとも,東アジア地域の緊張緩和をめざした政策と構想が必要ではないのか.
 生命や生活への脅威は,軍事的な危機にとどまらない.東日本大震災を経験した私たちは,自然災害や原発事故が人々の安全を根底から脅かすことを改めて知らされた.さらに,グローバル化の進展が,国境を越えて連動するリスクを増幅させている.国の単位で対応できない課題には,旧来の国家安全保障の思考だけでは対応できない.日本に生きる人々の安全を高めることと,東アジア諸国,世界の人々の安全保障環境の改善や整備をどのようにむすびつけていくのか.
 本シリーズは,「国家の安全」ではなく「人間の安全」に主眼を置きながら,現在と将来の安全保障を考えるために不可欠な論点を体系的に提示することをめざす.日本の安全保障論議の停滞状況を打破し,建設的な議論に資するものとなることを願ってやまない.

 2014年夏
岩波書店


■ 編集代表プロフィール

遠藤誠治(えんどう・せいじ)
1962年生.成蹊大学法学部教授.国際政治学.『グローバリゼーションとは何か』(かわさき市民アカデミー出版部),『普天間基地問題から何が見えてきたか』(共編,岩波書店)他.

遠藤 乾(えんどう・けん)
1966年生.北海道大学大学院法学研究科・公共政策大学院教授.国際政治・ヨーロッパ政治.『統合の終焉――EUの実像と論理』(岩波書店),『グローバル・ガバナンスの歴史と思想』(編著,有斐閣)他.


■ 編集委員プロフィール

水島朝穂(みずしま・あさほ)
1953年生.早稲田大学法学学術院教授.憲法・法政策論.

島袋 純(しまぶくろ・じゅん)
1961年生.琉球大学教育学部生涯教育課程教授.行政学,地方自治論.

阿部浩己(あべ・こうき)
1958年生.神奈川大学法科大学院教授,国際人権NGO「ヒューマンライツ・ナウ」理事長.国際法・国際人権法.

川島 真(かわしま・しん)
1968年生.東京大学大学院総合文化研究科准教授.中国近現代史,アジア政治外交史.

木宮正史(きみや・ただし)
1960年生.東京大学大学院総合文化研究科教授.朝鮮半島の政治・国際関係.

鈴木一人(すずき・かずと)
1970年生.北海道大学大学院法学研究科教授.国際政治,ヨーロッパ研究,宇宙政策.





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