面積の発見


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編集部だより
著者からのメッセージ

 岩波新書に,『零の発見』と言う超ロングセラーがあります.1939年発行ですが,70年以上たった今も,版を重ねています.1939年は私が中学2年であった年で,まだ対数を学んでいなかったため,後半は難解でしたが,数学への扉を開く好著であると思いました.
 本書は,『零の発見』にならって,中学生が読んでも面白く,一般の方が読まれても,目から鱗と思われるような内容にしたいと思っています.
 面積は,測定されて始めて面積となるのですが,その単位は,労働であったり,収穫であったり,生活単位であったり,長さであったりします.後になると,長さを測って面積を計算します.
 ここでは,円の面積や,3平方の定理が,話題となります.
 ポリスが発達すると,数学の様相も変化します.職人の数学といえるかもしれません.
 ところで,王立研究所のユークリッドがあらわした『ストイケイア』では,計量はなく,もっぱら,分解合同です.円周率も,ありません.
 異色の数学者アルキメデスで,近代数学のさきがけとなります.近代になると,運動と変化があらわれます.面積も,向きを持つようになります.
 最後に,面積は方向をもつようになり,華麗なる変身をとげます.
――「まえがき」より一部抜粋


著者紹介

武藤 徹(むとう とおる)
1925年,神戸市生まれ.1947年,東京帝國大学理学部数学科卒業.1947年,東京都立第四中学校(現都立戸山高等学校)に赴任.NHK教育テレビ「高校数学講座」初代講師.1986年,都立戸山高等学校定年退職.著書に『武藤徹著作集』全5巻(合同出版),『新しい数学の教科書 発想力をのばす中学数学』全2巻(文一総合出版),『算数・数学用語辞典』共著(東京堂出版),『武藤徹の高校数学読本』全6巻(日本評論社)ほか.


目 次

第1章 度量衡の誕生
1 バビロニア
2 エジプト
3 中国
4 インド
5 わが国の度量衡
第2章 面積の発見
1 面積とは
2 労働で測られた面積
3 収穫で測った日本の面積
4 朝鮮の面積単位
5 労働で測るヨーロッパの面積単位
6 生活単位としての面積
第3章 面積の展開
1 『九章算術』をよむ
2 3平方の定理
3 円の面積
4 ヘレニズム
第4章 面積概念の発展
1 一般曲線の囲む面積
2 区分求積法
3 定積分
4 面積ベクトル
あとがき
コラム
麦が貨幣/ヘブライ語『聖書』では/縦と横/ヒポクラテスの定理/カンタベリー・パズル/ヘロンの開平法/正四面体を折る/幾何学の起源/アルキメデスとストマキオン/円と球




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