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| 市古貞次 (日本学士院副院長) |
| 辞書は,私には生活の必需品である.必ず辞書を引くようにと,いつも後輩に勧めて来たが,それは自戒のことばでもあった.辞書も百科から地名・人名など多様で,分量も大本数十冊から小本1冊に至るまで様々である.だが常住座右に置いて活用するには,それほど重くない1冊の書が望ましく,数十年来『広辞苑』 を愛用している.時の推移に応じ,改訂を加え,記述も簡明・正確,最も信頼すべき書で,今度の大改訂は期して俟つべきものがある. |
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| 水上 勉 (作 家) |
| 『広辞苑』 CD-ROMは旅行カバンに入れ,本は台所の書棚に置くのである.食事中でもわからぬことばに出喰わせば,まめに引くのだ.愛用の 『広辞苑』 は,古いことも新しいことも詳しく出ているから,これがないと僕の暮らしが立たない.これからも世話になるだろうし,旅に出ても,書斎にいても,用心深く日本語を使って,僕の文章を工夫したいと思うのである. |
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| 平岩外四 (東京電力相談役) |
| 昔から,言葉は生きものだと言われている.同じ言葉に新しい意味合いが付け加えられたり,時流に沿って以前とは違う使われ方をしたり.それにしても,昨今の言葉の乱れようは並み大抵ではない.現実にそんな場面に出会うと,私などは戸惑ってしまう.『広辞苑』 第五版が,こうした言葉と生活の変化に応えて,現代語と百科項目を充実するため,新たに1万項目を収録してくれたとは有難い.一層,手元から離せなくなった. |
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| 長尾 真 (京都大学総長) |
| 複合語も多いし,助詞や助動詞などの項は文法書としても十分に役に立つ.これまでも百科事典的な内容が豊富だったが,情報・環境・医療・福祉などこれからの社会の中心的課題についても多くの用語が新たに収録された.こんなことまで書いてあるという発見の楽しみもある.第四版と同じく,逆引き辞典やCD-ROMが発売され,パソコン市民にも愛されるようになることを期待したい. |
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| 高村 薫 (作 家) |
| 子どものころ,ちゃぶ台で手紙を書く親の手元に 『広辞苑』 があった.それ以来,家にあるのが当たり前の 『広辞苑』 だったが,私自身がそばに置くようになったのは物書きになってからである.どのページを開いても知らない言葉の方が多く,今さらのように日本語はこんなに豊穣だったのかと思い知らされながら読みふける.個々の言葉の意味を知る以上に,日本語の威力と,ほとんど無限に近い広がりを,誇りに思いたくなる1冊である. |
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| 山田洋次 (映画監督) |
| 辞書はいつでも開けるように箱から出し,本箱の奥などではなく手もとに置くものだ,と学生時代先輩に言われたことが奇妙に忘れられない.だから我が家では1DKの団地暮らしの時代から,『広辞苑』 を茶の間の食卓の脇にむき出しで置いてある.その 『広辞苑』 がうっすらと埃をかぶっていたりするのを見て,歳とともに知的好奇心が薄れたのではないかと,不安になることもある. |
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| イーデス・ハンソン (エッセイスト) |
| 辞書なしではモノがかけない.たとえ友達への気楽な手紙や葉書でも不安です.だから本棚には,普通の国語辞典と共に,類語,反対語,漢和辞典などがずらり並んでいる.その中で最も頼りになるのが,14年前に贈られた岩波の 『広辞苑』.相手にちゃんと通じる正確な日本語を使いたいと思う私を応援する意味で,結婚した時に連れ合いがプレゼントしてくれた.指輪よりずっと役に立つ結婚祝いだな,と引くたびに嬉しくなる. |
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| 河合隼雄 (国際日本文化研究センター所長) |
| パソコンを使わないので,私はしょっちゅう 『広辞苑』 のお世話になっている.必要な言葉を引いた後で,あちこち拾い読みするのも楽しい.何かものを書くときに,関連する語をまず 『広辞苑』 で引いてみると,思いがけないヒントを得たりする.というわけで文字通り座右の書にしている.語彙の豊富さに感心していたが,新版が出てまた増えるという.大いに期待している.私の文章も少しは豊かさを増してくれると有り難いが. |
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