岩波 日本語使い方考え方辞典

言葉遣いに関する疑問を解決するための視点や考え方をまとめ,「正しい日本語」を解き明かした実用辞典.

岩波 日本語使い方考え方辞典
著者 北原 保雄 監修
ジャンル 書籍 > 辞典
日本十進分類 > 語学
刊行日 2003/05/15
ISBN 9784000802062
Cコード 0581
体裁 B6 ・ 上製 ・ 函入 ・ 568頁
定価 3,300円
在庫 在庫僅少
日本語に関して日ごろ抱く疑問の中から,漢字や仮名の表記,記号の使い方,語形や字形の微妙な違いなどの迷いやすい点を整理した実用辞典.公的な基準と慣習の差,言語の歴史的な変化や背景なども取り上げて,「正しい日本語」とは何かを解き明かします.豊富な例を挙げた説明で,言葉のとらえ方が誰にでもわかります.

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知りたいことから“正しい日本語”の姿が見えてくる!

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「階段をのぼる」は「昇る」か「上る」か?
「糸」の字は8画に見えるが,手で書くときは6画でよいのか?
「大地震」は「だいじしん」と「おおじしん」とどちらで読むのか?
横書きのときの句読点は,「。 、」か「. ,」か,どちらにすべきか?
同じ10でも,「一〇」と「十」はどう使い分けるのか?
「固執」は「こしゅう」なのか「こしつ」なのか?
「冤罪」をなぜ「えん罪」と仮名を交ぜて書くのか?
「間違う」と「間違える」はどちらが正しいのか?
ローマ字の「オー」は「(oの上に山型の記号の付いたもの)」と「oh」とどちらで書いたらよいか?
広辞苑編集部には,このような問い合わせが毎日たくさん飛びこんできます.そんな言葉に関する疑問にお答えするために,言葉づかいで迷いやすい点や,日本語を考える際にカギとなる視点を整理して,言葉の「考え方」がわかるようにまとめたのがこの辞典です.


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●個別の言葉から,言葉の「考え方」へ
 昨今,「言葉の正しい使い方」に関する本が数多く出版されています.その多くでは,「英気」「鋭気」,「同志」「同士」,「努める」「務める」「勤める」など,個々の言葉を取り上げて,その語の使い方などを説明しています.
 しかし,このような個別のことならば,最近の国語辞典は,より丁寧に用法までふみこんだ記述が多くなっており,それで事足りるようになってきています.一方,「用字・用語集」などでは,あいまいなところを割り切ってしまっている面が少なくありません.
 この辞典では,解説を個別の言葉の説明にとどめず,日本語全体をとらえる視点として整理し,事項にまとめました.例えば,漢字の使い分けや,言葉の変化の規則などをわかりやすく解説していますので,これで言葉づかいに迷っても,自分で類推や判断ができるようになります.
 もちろん,解説は抽象的ではなく,具体例を豊富に掲げています.また,充実した総索引を付けて,具体的な疑問から全体像へと向かえるよう配慮しています.

●言葉や文字の使い方の不安を解消
 他人から「その言葉づかいは間違っている」と指摘されるのはイヤなものです.ところが,習慣として決まっていることと,歴史的な変化とは異なることがあり,一概に間違いとは言い切れないことも少なくありません.「当て字」は定着してしまえば「熟字訓」になりますし,挨拶状に句読点を使わないのは縁起が悪いからだといわれますが,元来日本語でほとんど句読点を使わなかったという慣習の名残でもあります.また,伝統的な言葉づかいとは違っていても,別の考え方をすれば「合理的」と考えられる言葉の変化もあります.
 このような場合,どこまでが世間一般の許容範囲で,どのような点に注意した方がよいのか,言葉づかいの不安を解消する知識が詰まっています.

●日本語はどこまで決まっているのでしょうか?
 漢和辞典によって,同じ漢字の部首や画数が違っていることがあります.学校で漢字の部首や画数を教えますが,これらは,そんなにいい加減なものなのでしょうか.「世界中」は「せかいじゅう」と「せかいぢゅう」とどちらもありそうですが,正しい表記は決まっているのでしょうか.日本語には「現代仮名遣い」「常用漢字表」など,国で定めた決まりがありますが,その中では,「許容」として何通りもの表記が認められていたり,何も説明がなく話し手・書き手の判断に任されていたりします.その内容を知れば,日本語の基準がわかり,人に教える際にも役立ちます.学校の先生方や編集者・校正者はもちろん,報告書やメールなど文章を書く人なら誰でも役に立つ辞典です.







■岩波 日本語 使い方考え方 辞典

監修: 北原保雄
執筆: 伊坂淳一・氏原基余司・大倉 浩・小川栄一・島田康行・白川博之・須賀一好
B6新判・上製函入・556頁

書評情報

読売新聞(朝刊) 2006年2月10日
月刊国語教育 2004年1月号
月刊言語 2003年10月号
観光文化 2003年9月号
信濃毎日新聞(朝刊) 2003年6月21日
毎日新聞(朝刊) 2003年6月1日
毎日新聞(朝刊) 2003年5月11日
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