創業90年記念出版 新編 泉鏡花集 全10巻・別巻2


編者のことば
すいせん文
特色


書誌データへ

創業90年記念出版 新編 泉鏡花集 全10巻・別巻2
【編者】
秋山 稔・須田千里・田中励儀・吉田昌志



菊判・上製函入・平均500頁 各巻月報付

「袖屏風」口絵〈田代暁舟画〉


全巻構成

第1巻
金沢一
妙の宮/化鳥/凱旋祭/さゝ蟹/清心庵/髯題目/笈摺草紙/鶯花径/湖のほとり/名媛記/海の鳴る時/女仙前記/きぬぎぬ川/北国空
浅野川,やさしく清い金沢の女川と卯辰山,町中の橋,上流の谷に湧く温泉,河口の湖へと,〈母なるもの〉を求め,妖しい物語が始まる.

第2巻
金沢二
薬草取/国貞ゑがく/朱日記/時雨の姿/卯辰新地/茸の舞姫/伯爵の釵/瓜の涙/鷭狩/小春の狐/傘/夫人利生記/河伯令嬢/縷紅新草/幼い頃の記憶
明治後期から昭和期,金沢,加賀,能登へ物語はめぐる.出現する姫神,自らを犠牲に危機を救う美女,戦慄と共に,ゆかしい詩郷に導く.
 


『遊里集』裏見返〈小村雪岱画〉

番町の家二階書斎

第3巻
東京一
夜行巡査/外科室/玄武朱雀/葛飾砂子/政談十二社/註文帳/袖屏風/祝盃/親子そば三人客/酸漿/爪びき/二三羽―十二三羽
亡き母の生地江戸東京は,金沢に次ぐ鏡花世界の母胎である.その東京を自在に綾取る諸篇.
 


『由縁文庫』表紙〈小村雪岱画〉

第4巻
東京二
遊行車/陽炎座/菎蒻本/人魚の祠/黒髪/売色鴨南蛮/薺/楓と白鳩/仮宅話/深川浅景/海異記/貝の穴に河童の居る事
みずからの小説技法を集大成した円熟の大正期,身辺取材の小品にも冴えを見せる.関東大震災後の深川を探訪する紀行に,「房州もの」二篇を加える.
 


『愛染集』見返〈小村雪岱画〉

第5巻
相州伊豆
星あかり/千歳之鉢/二世の契/逗子より/春昼/春昼後刻/草迷宮/海の使者/紅葛/山吹/甲乙
足かけ五年を過ごした湘南に希有の幻想空間を現出せしめた「逗子もの」を中心に,小田原,箱根,伊豆修善寺の気ままな「旅」をたちどころに物語と化す筆力.
 

第6巻
京阪
瓔珞品/笹色紅/南地心中/峰茶屋心中/天守物語/紫障子/鎧/城崎を憶ふ
友人を訪ねた京阪への旅は,土地の俗信や祭事に触れて,怪異譚を生み出した.蛇信仰や刑部伝説などに取材した八篇.
 


『遊里集』表見返〈小村雪岱画〉

第7巻
伊勢名古屋
伊勢之巻/紅雪録/無憂樹/歌行燈/森の中/浮舟
笹川臨風・柳川春葉との旅が生み出した諸篇.現実の風景は夢幻の境として作中に蘇る.『森の中』は『参宮日記』の初案.
 

第8巻
信州飛騨
高野聖/神鑿/袙奇譚/木曾の紅蝶/唄立山心中一曲/眉かくしの霊/麻を刈る
 

第9巻
北陸
処方秘箋/蛇くひ/黒百合/怪語/山中哲学/鷺の灯/銀短冊/夜叉ヶ池/雪霊記事/雪霊続記/栃の実
 


『弥生帖』表紙〈小村雪岱画〉


第10巻
東北
白羽箭/柳小島/銀鼎/続銀鼎/黒髪/怪力/遠野の奇聞/甲冑堂/七宝の柱/飯坂行き/十和田湖
会津,飯坂,平泉,十和田….旅する鏡花は,歴史に彩られた〈土地〉の力を喚起する.『龍胆と撫子』の初出『黒髪』は,本書が初収録.
 

別巻1
全集補遺 (拾遺・参考編)
 
『鏡花全集』未収録の小説・俳句・書簡・座談会・草稿などに解題を付して収録.全集補遺として鏡花をより深く知る上で不可欠の一冊.

別巻2
年譜 目録
 




Copyright 2006 Iwanami Shoten, Publishers. All rights reserved. 岩波書店