知っていますか,朝鮮学校

教科書や授業の内容など,学校の様子を事実に即して紹介し,朝鮮学校の「いま」を伝える.

知っていますか,朝鮮学校
著者 朴 三石
通し番号 846
ジャンル 書籍 > 岩波ブックレット
日本十進分類 > 社会科学
刊行日 2012/08/07
ISBN 9784002708461
Cコード 0336
体裁 A5 ・ 並製 ・ 64頁
定価 550円
在庫 在庫あり
高校無償化問題をきっかけに朝鮮学校への関心が高まりつつある.しかし,あなたは朝鮮学校のことをどれくらい知っているのだろうか――.教科書や授業の内容,学生たちの日々の姿,日本社会との交流など,学校の様子を事実に即して紹介しながら,朝鮮学校の「いま」を伝える.

■著者からのメッセージ

 このブックレットは,つぎのような五つの内容で構成した.
 第一に,朝鮮学校や在日朝鮮人にかんする日本の大学生の素直な感想,意見を紹介することにしたい.そのなかに朝鮮学校を正確に知るための論点が示されていると思うからである.そこには普通の日本人がもちやすい印象や感覚,情報の特徴も反映されていると思う.
 第二に,朝鮮学校とはどのようなところなのかを知るために,生徒たちの学校生活のさまざまな様子を紹介することにしたい.
 第三に,そもそも近代において朝鮮人がなぜ日本で暮らすようになったのか,なぜ日本に朝鮮学校があり,なぜ子どもたちは日本の学校に通わず,あえて朝鮮学校に通うのか,などについて述べたい.
 第四に,教科書から朝鮮学校を知るという視点から,朝鮮学校で使われている教科書の内容と特徴について述べたい.
 第五に,朝鮮学校は日本社会にとってどのような存在であるのかについて述べたい.このなかで朝鮮学校の生徒や親たちや教師たちが,日本社会と日本人の皆さんに何を訴えたいと考えているのかということについて紹介したい.

 このブックレットが,今まで朝鮮学校についてあまり知らなかった,あるいは知る機会がなかったという大学生や高校生,先生方など多くの日本人の皆さんの参考になれば幸いである.なお,本書の内容については,すべて筆者の責任においてまとめたものであることを付記しておきたい.
「はじめに」より
はじめに

1 事実を知ることの大切さ
――学生の感想から考える

2 朝鮮学校で学ぶ生徒たち
――日本の学校・地域社会との交流

3 なぜ日本に朝鮮学校があるのか
――在日朝鮮人と朝鮮学校の由来

4 どのような教科書を使っているのか
――反日教育でなく友好のための教育

5 朝鮮学校と日本社会
――何をどうするべきか
朴 三 石(パク サム ソク)
朝鮮大学校教授.1954年岐阜県生まれ.朝鮮大学校政治経済学部卒,同学研究院(大学院)修了.法学博士.専攻は法社会学,在日外国人問題.著書に『教育を受ける権利と朝鮮学校――高校無償化問題から見えてきたこと』(日本評論社,2011年),『外国人学校――インターナショナル・スクールから民族学校まで』(中公新書,2008年),『海外コリアン――パワーの源泉に迫る』(中公新書,2002年)など.

書評情報

イオ 2012年9月号
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