核兵器を禁止する

核廃絶という人類的課題を実現する新たな道筋として,国際的に期待を集めている核兵器禁止条約とは?

核兵器を禁止する
著者 川崎 哲
通し番号 906
ジャンル 書籍 > 岩波ブックレット
日本十進分類 > 社会科学
刊行日 2014/08/06
ISBN 9784002709062
Cコード 0336
体裁 A5 ・ 並製 ・ 64頁
在庫 品切れ
核兵器は,国際条約で禁じられていない唯一の大量破壊兵器である.新たな保有国が生まれるなど,核軍縮への足踏みが続く中で,「核なき世界」への現実的な道筋として期待を集めているのが,核兵器禁止条約という構想だ.非核国やNGO,自治体などが盛り上げる国際的キャンペーンの中心で活躍中の著者による入門書.


■著者からのメッセージ
 毎年8月になると,広島・長崎に関する話題がテレビで流れ,核兵器廃絶の願いが語られます.しかしなかなか実感がわかないという人も多いでしょう.
 今日の世界に計1万6000発以上の核兵器が存在することを知っていますか.その多くは,数分以内に発射できるような態勢に置かれています.
 「核兵器はあっても使われることはない」というのは神話です.福島の原発事故が起きるまで,私たちが安全神話に囚われていたのと同様です.
 もう一つの神話があります.それは「核兵器はなくならないし,なくせない」というものです.近年,核兵器禁止条約を作ろうという機運がかつてない高まりをみせています.スイス政府や赤十字が主導して,対人地雷やクラスター爆弾と同じように国際人道法によって核兵器を禁止しようというものです.日本ではなかなか見えてこないこの動きについて,国際NGOの活動現場の息吹を伝えながら,解説します.
はじめに――被爆七〇年を前にして
1 世界に広がる核の脅威
2 国際法で兵器を禁止する
3 核兵器禁止条約への流れ
4 核兵器禁止条約はどのようなものになるか
5 日本という抵抗勢力
6 世界を動かす市民運動
7 懐疑論に答える
川崎 哲(かわさき・あきら)
NGOピースボート共同代表.1968年東京生まれ.東京大学卒業後,ピースデポ事務局長などを経て2003年より現職.2009~10年「核不拡散・核軍縮に関する国際委員会」でNGOアドバイザーを務めた.核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)国際運営委員.著書に『核拡散――軍縮の風は起こせるか』(岩波新書)など.

書評情報

毎日新聞(朝刊) 2014年10月15日
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