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岩波ブックレット 950

田園回帰がひらく未来

農山村再生の最前線

田園回帰がひらく未来
著者 小田切 徳美 , 広井 良典 , 大江 正章 , 藤山 浩
通し番号 950
ジャンル 書籍 > 岩波ブックレット > 経済
シリーズ 岩波ブックレット
刊行日 2016/05/10
ISBN 9784002709505
Cコード 0336
体裁 A5 ・ 並製 ・ 72頁
在庫 在庫あり
Iターン・Uターン者が地元の力を再発見し地域がみがかれれば,新たな移住者を呼びこむ.外部依存の経済から地産地消へ,量的成長から地域循環型の暮らしの結び直しへ.現場発,現在進行形の,地方創生のあるべき姿と具体策.

■著者からのメッセージ

 本書は,2015年11月17日に行われた,全国町村会と一般財団法人・地域活性化センターの主催による連続企画「都市・農村共生社会創造全国リレーシンポジウム」の東京会場での発表とディスカッションをもとに構成されています.

 東京シンポジウムのテーマは「田園回帰と日本の未来」.「田園回帰」とは,都市の住民が農山村に移住する現象を指しています.最近は,テレビや新聞,雑誌等のマスメディアでもしばしば取り上げられ,東京などの大都市では,地方への移住相談や関連イベントに参加者が溢れるほど,人々の関心も高まっています.
 東京のシンポジウムがこのテーマを取り上げたのは,こうした現実があるからに他なりません.なぜ都市の人々,特に若者が農山村に向かうのか.農山村は受け入れる準備はあるのか.この現象にはいかなる多様性があるのか.この動きを定着させる戦略とは――「田園回帰」をめぐる論点はまだまだ残されています.

 当日は,基調講演とパネルディスカッションで,「背景」「本質」「諸相」「戦略」の視点から,「田園回帰」が多面的に論じられたと言えます.さらに,「田園回帰」を単なる人口移動と捉えるのではなく,リレーシンポジウムの大きなテーマである「都市・農村共生社会」にとって,どのような意味と課題があるかを追求し,その視野と射程を拡げているのです.「田園回帰がひらく未来」という本書のタイトルは,そのことを反映しています.
 当日の会場には,約300席が用意され,ほほ満席となりました.国や地方の行政,学界関係者だけでなく,農山村や都市の地域レベルで活動されている方々の参加も多く,実に多様な皆さんが参加されていました.

 本書が,ともすれば政治的,経済的に閉塞状況になりがちな現状から脱し,「都市・農村共生社会」が創造される素材の一つとなれば幸いです.
報告者を代表して  小田切徳美
はじめに

1 人口減少社会から希望の定常化社会へ――田園回帰の背景
広井良典

2 「地域みがき」が人を呼ぶ――田園回帰の本質
小田切徳美

3 農山村と人が多様につながる――田園回帰の諸相
大江正章

4 田園回帰のススメ 実践者たちのメッセージ
「得意」を持ち寄って暮らす
長島由佳
まずは,つなぐことから
須田元樹
移住者視点で田園回帰をサポート
横洲 竜
コメント 何が都市と農村をつなぐか
沼尾波子

5 1%の人と仕事を取り戻す――田園回帰の戦略
藤山 浩
小田切徳美(おだぎり・とくみ)
1959年生まれ.明治大学農学部教授.農政学,農村政策論,地域ガバナンス論.著書『農山村再生』(岩波ブックレット),『農山村は消滅しない』(岩波新書),『農山村再生に挑む』(岩波書店)ほか.

広井良典(ひろい・よしのり)
1961年生まれ.京都大学こころの未来研究センター教授.公共政策,科学哲学.著書『日本の社会保障』『定常型社会』『ポスト資本主義』(いずれも岩波新書)ほか.

大江正章(おおえ・ただあき)
1957年生まれ.ジャーナリスト,コモンズ代表,アジア太平洋資料センター共同代表.著書『地域の力』『地域に希望あり』(ともに岩波新書),『農業という仕事』(岩波ジュニア新書)ほか.

藤山 浩(ふじやま・こう)
1959年生まれ.島根県中山間地域研究センター研究統括監,島根県立大学連携大学院教授.中山間地域政策,地域計画.著書『田園回帰1%戦略』,共著『地域再生のフロンティア』(ともに農山漁村文化協会)ほか.

書評情報

神戸新聞   2017年6月21日
徳島新聞   2017年6月14日
愛媛新聞   2017年6月7日
四国新聞   2017年6月7日
日本海新聞  2017年6月6日
埼玉新聞   2017年6月6日
福井新聞   2017年6月5日
高知新聞   2017年6月4日
信濃毎日新聞 2017円6月4日
山梨日日新聞 2017年5月29日





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