IT汚染




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編集部だより
 パソコンや携帯電話といったIT機器は、いまや私たちの生活には欠かせないものになっています。その利便性のかげで、深刻な環境問題が進行していることはご存じでしょうか。IT機器を製造するときにつかっている有毒物質が飲料水汚染や人体被害をもたらしていますし、また、使用済みになった大量のIT機器はゴミ問題を生んでいます。
 12年前に新書「ハイテク汚染」を著わした著者が、アメリカ、台湾、韓国、マレーシア、タイ、そして日本各地の最新の状況を紹介し、どうすれば「IT汚染」を防げるか、環境に負荷を与えないクリーンなIT産業とはどういうものかを問います。

著者の調査ノートから
ロケット型の地下水浄化塔。後ろの建物は、シリコンバレーにあるネットスケープ本社。ここはちょうどフェアチャイルド半導体工場の跡地にあたる。20年前、有機溶剤による地下水汚染を引き起こして、大問題になったところだ。
シリコンバレーの道を走ると、化学物質や有毒ガスを運ぶトラックによくすれ違う。半導体生産は化学工場でつくられるのだ
台湾の新竹科学工業園区にて。台北の国際空港から南下していくと、左右に半導体関連の工場がつぎつぎを目に入ってくる。自分の走っている高速道路が「生産ライン」になったかのようだ。ここの工業園区は、台湾一のハイテク団地だ。中央がガスタンク。ここでも化学物質やガスをたくさん使っている。
韓国の亀尾市にある斗山電子工場。左の白いタンクからフェノール30トンが流れ出し、右側の道路の下水道へ入った(上)。そこから洛東江の支流に流れ込んだ(下)。これが上下水道の塩素と反応して悪臭を発生させて、テグ市民はパニックに陥った。

著者紹介
1950年兵庫県生まれ。京都大学大学院経済研究科博士課程を修了し、現在は北海道大学大学院経済研究科教授。専門は、環境経済学・産業技術論。著書に「環境と技術の経済学」(青木書店)、「ハイテク汚染」(岩波新書)、「廃棄物と汚染の政治経済学」(岩波書店)などがある。

目次
序章 シリコンバレーふたたび
第1章  IT生産と環境問題
第2章  アジアに広がるIT汚染
第3章  日本のIT汚染
第4章  あふれ出る使用済みコンピュータ
終章 IT汚染をなくすために

岩波新書にはこんな本もあります
中国で環境問題にとりくむ 定方正毅 著 新赤690
地球持続の技術 小宮山宏 著 新赤647
ダイオキシン 宮田秀明 著 新赤605
地球環境報告 石 弘之 著 新赤33
地球環境報告 II 石 弘之 著 新赤592
(2001年7月)



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