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政治学者・福田歓一氏の著作は,ほとんどが小社の佐々木毅・加藤節編『福田歓一著作集』全10巻(1998年)に収録されています(現在品切).著書のうち,とくに岩波新書の『近代の政治思想』(1970年)と『近代民主主義とその展望』(1977年)は長く読まれつづけていますが,しかしそれ以外のものは入手しにくくなってきました.そこで,高弟である加藤節氏にお願いして文庫版オリジナル論集を編んでいただいたものが本書です.加藤氏の言葉を借りると, |
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編者が,このような論文集を編みたいと考えた理由は二つある.一つは,福田の作品がこの国の読書界でもう少し幅広く手にされる機会を作りたいと考えたことであった.福田の著作は,その学問的水準の高さから言ってもっと読まれていいにもかかわらず,専門家を越えた広範な読者層を必ずしももってはこなかったからである.とりわけ若い世代の便宜を考えて,本書を比較的入手しやすい文庫版にしたのもそのためであった.
この本を編んだもう一つのより積極的な理由がある.それは,福田が生涯のテーマとしてきた「デモクラシーと国民国家」をめぐる問題が,依然として現代政治学のもっとも切実な論点をなし続けていることであった.現代の政治学は,例えば,差異化を強める人間の統合原理としてのデモクラシーの可能性に確たる信頼を置くことも,また,国民国家が揺らぐ中でそれに代わる政治社会の姿を構想することもできずにいるからである.編者が,現代政治の動向に関心を寄せる人々の理論的な指針として役立つことを期待しつつ,政治思想の歴史に関する深い学識に支えられて提示された「デモクラシーと国民国家」をめぐる福田の思索の跡をあらためて世に問いたいと考えた理由に他ならない.
(「編者はしがき」より)
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書かれた時期は古くても,いま再読してなお新鮮な記述がいくつも見当たります.これを機に若い人にも是非手にとっていただきたいと願っております.
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| 福田歓一(ふくだ・かんいち) |
1923-2007年
東京大学名誉教授(政治哲学)
『福田歓一著作集』 |
| 加藤 節(かとう・たかし) |
1944年生まれ
成蹊大学教授(政治哲学)
『政治と人間』『政治と知識人』『南原繁』 |
編者はしがき
| 第I部 |
原理的考察 |
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1 |
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現代の民主主義――象徴・歴史・課題 |
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国民国家の諸問題――現代における政治社会論のために |
| 3 |
民主主義と国民国家 |
| 4 |
民族問題の政治的文脈――擬制としての国民国家 |
| 第II部 |
概念の歴史 |
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5 |
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政治認識の用語について――民族の場合を中心に |
| 6 |
思想史のなかの国家 |
| 7 |
最近のcivil society論と政治学史の視点 |
| 第III部 |
問題の日本的文脈 |
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8 |
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日本における「国民的なもの」の形成――課題と方法 |
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9 |
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二十世紀における君主制の運命 |
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10 |
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国民主権再考 |
編者あとがき |
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