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シリーズ『現代日本文化論』(全13巻,1996年11月−1998年1月)の各巻の巻末に河合が書き下ろした論文に加筆して,一冊にまとめた『日本文化のゆくえ』(2000年5月)は,河合隼雄の日本文化論の代表作である.
その後,『河合隼雄著作集』第II期第11巻(2002年2月)に収録された.
グローバリゼーションの強い波にさらされている日本文化はどこへ行くのか.著者は,家族,教育,高度資本主義による経済,労働形態の変動,芸術の新たな取組,生死観,宗教,倫理の変容など,現代日本の各分野のかかえる問題群を臨床的に読解することで,混迷・錯綜する現代日本文化の方向性を,分かり易く平明な文体で提示する.問題群の表層にとどまらない個々の問題の内部からの独自の分析と普遍化が,本書を日本でのユング派心理学の第一人者ならではのユニークな日本文化論としている.
河合隼雄(かわい はやお)
1928−2007年.
日本の心理学者・心理療法家・元文化庁長官.京都大学名誉教授,国際日本文化研究センター名誉教授.専門は分析心理学,臨床心理学,日本文化論.日本におけるユング心理学の第一人者とされる.また,箱庭療法を日本へ初めて導入し,日本で普及させた.
一 「私」探し
二 家族の未来
三 学校のゆくえ
四 仕事づくりの構図
五 豊かな消費を求めて
六 科学技術のゆくえ
七 異文化体験の軌跡
八 夢見る未来
九 現代人と芸術
十 「私の死」と現代
十一 宗教と宗教性
十二 アニミズムと倫理
初出一覧
現代文庫版解説(大澤真幸)
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