俳句のユーモア

秀れた俳句はユーモアを湛えている.ユーモアによって個人を,表現を,俳句を,世界を,開いてゆくのだ!

俳句のユーモア
著者 坪内 稔典
通し番号 文芸176
ジャンル 書籍 > 岩波現代文庫 > 文芸
日本十進分類 > 文学
刊行日 2010/10/15
ISBN 9784006021764
Cコード 0195
体裁 A6 ・ 並製 ・ カバー ・ 272頁
在庫 品切れ
俳句はいろいろな読み方をしていい.秀れた俳句であればあるだけ,ユーモアを湛えているもの.ユーモアによって,個人を,表現を,俳句を,世界を,開いてゆくのだ! ちょっと口ずさんで,言葉遊びから,句会の笑いから,自分と他者の感受性や精神のこわばりをほぐしましょう.ネンテン先生が説く,俳句の魅力,その広がり.

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俳句をこよなく愛するご存知ネンテン先生が,さまざまな俳句作品をひきながら,どのように俳句を楽しむべきか,俳句とはどのようなものなのか,楽しく説く俳句入門書です.
正岡子規は俳句について,「読者をして己と同様に面白く感ぜしめん」(「叙事文」)と書いています.そもそも俳諧・俳句では,作者の楽しみが読者と共有されるのが伝統であり,そのための場として句会が重んじられていました.
作者の恣意性から生み出された五七五の音は,読者のいろいろな読みの場に出されることによって,作者の内を離れ,あらたな輝きを得ます.そのような,自分と他者の感受性や精神のこわばりをほぐす力こそが,まさに,「俳句のユーモア」なのです.
俳句はいろいろな読み方をしていい.そして,秀れた俳句であればあるだけ,ユーモアを湛えているものです.だから,俳句は楽しい.楽しいことには笑いがある.その笑いによって広がる,さらなる俳句の楽しみ,その可能性を,ぜひ本書を読んで実感していただきたいと思います.
巻末には,俳句索引ほか,ブックガイドも付いています.
坪内稔典(つぼうち としのり)
1944年愛媛県生まれ.俳人,佛教大学文学部教授,京都教育大学名誉教授,「船団の会」代表.主な著書に『正岡子規の〈楽しむ力〉』『カバに会う』 『季語集』 『柿喰ふ子規の俳句作法』,句集に『水のかたまり』『高三郎と出あった日』など.2010年『モーロク俳句ますます盛ん』で桑原武夫学芸賞を受賞.

書評情報

朝日新聞(朝刊) 2011年12月10日
読売新聞(朝刊) 2010年12月12日
信濃毎日新聞(朝刊) 2010年11月28日
北日本新聞(朝刊) 2010年11月21日
朝日新聞(朝刊) 2010年11月7日
福井新聞 2010年11月7日
公明新聞 2010年11月1日

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