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「岩波文庫」では、10数年前から主要書目を順次見直し、親切な注やルビをつけ、活字を大きくゆったり組むなど、読みやすくする様々な試みを続けてきました。
今回も、岩波文庫のロングセラーで必備書目13点13冊を、より読みやすくしました。
今後も基本書目の見直しをし、より読みやすく親しみやすい「岩波文庫」をめざしていきます。 |
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上田敏全訳詩集
上田 敏 訳/山内 義雄,矢野 峰人 編 |
| ボードレール,ヴェルレーヌ,ブラウニング,ロセッティ,マラルメ,ランボー等ヨーロッパの高踏派・象徴派の詩を美しい日本語に移しかえた上田敏(一八七四‐一九一六)の訳詩は,薄田泣菫・蒲原有明をはじめ北原白秋・三木露風ら日本の近代詩に比類なき影響を与えた.本書は,訳詩集『海潮音』『牧羊神』をはじめ訳詩すべてを収めた定本.
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歯車 他二篇
芥川 竜之介 |
| ここに収めた三篇は,いずれも作者最晩年の代表作.『玄鶴山房』の暗澹たる世界は,作者の見た人生というものの,最も偽りのない姿であり,『歯車』には自ら死を決意した人の,死を待つ日々の心情が端的に反映されている.『或阿呆の一生』は,芥川という一人の人間が,自らの一生に下した総決算といってよい. (解説 中村真一郎)
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青年と学問
柳田 国男 |
| 柳田民俗学を貫くのは「経世済民」の志であって,世の中を賢くし良くするのが学問だとする考えは終生変わることがなかった.その主張は柳田自らの手に成った最良の柳田学入門である本書からつぶさにうかがえる.民俗学の責務を論じた表題作,知的発見のための旅を勧める「旅行の進歩および退歩」など十篇. (解説 神島二郎) |
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風土 ―― 人間学的考察
和辻 哲郎 |
| 風土とは単なる自然環境ではなくして,人間の精神構造の中に刻みこまれた自己了解の仕方に他ならない.こうした観点から著者はモンスーン・沙漠・牧場という風土の三類型を設定し,日本をはじめ世界各地域の民族・文化・社会の特質を見事に浮彫りにした.今日なお論議をよんでやまぬ比較文化論の一大労作である. (解説 井上光貞) |
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ブッダ最後の旅 ―― 大パリニッパーナ経
中村 元 訳
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| 原始経典の中にはブッダの生涯は殆ど記されていない.だが彼の死は信徒にとって永久に忘れえぬ出来事であったのだろう.パーリ語本『大パリニッバーナ経』の中に,ブッダの死とその前後の事件が詠歎をこめて語られている.本書はこのパーリ語本を底本とし,サンスクリット本,漢訳本を参照して邦訳.巻末に周到詳細な注を付す. |
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死に至る病
キェルケゴール/斎藤 信治 訳 |
| 「死に至る病」とは絶望のことである.本書はキェルケゴールが絶望の暗黒面を心理学的に掘りさげつつ,人間というものの本質を激しく追求したものであるが,繊細深刻をきわめる絶望者の心理描写の中には,多分に著者自身の自己分析と自己告白とが含まれている.ここに著者の哲学的思索の根本的な特色がある. |
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悲劇の誕生
ニーチェ/秋山 英夫 訳 |
| ニーチェの処女作.ギリシャ文化の明朗さや力強さの底に「強さのペシミズム」を見たニーチェは,ギリシャ悲劇の成立とその盛衰を,アポロ的とディオニュソス的という対立概念によって説く.そしてワーグナーの楽劇を現代ドイツ都市の復興,「悲劇の再生」として謳歌した.ここには倫理の世界を超えた詩人の顔が見てとれる. |
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プラグマティズム
W.ジェイムズ/桝田 啓三郎 訳 |
| プラグマティズムは,もっともアメリカ的なものの考え方であり,今日のアメリカ資本主義社会とその文化を築き上げてきた基調である.本書は,このような考え方を初めて体系づけ,ヨーロッパの伝統的な思考方法を打破した点で不朽の功績をもつ.アメリカ的なものの見かたの核心は,じつにこの一冊に圧縮されている.
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闇の奥
コンラッド/中野 好夫 訳 |
| アフリカの奥地に象牙採集をする人々の上に起こった事件を作者自身の体験にもとづいて書いた作品.『颱風』『青春』と共にコンラッドの中短篇の代表作であるが,作品の芸術的根強さにおいて他の二つを凌ぐ.ここには作者の原始に対する驚異と文明に対する呪詛とが熱病のような激しさであらわされている. |
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若きウェルテルの悩み
ゲーテ/竹山 道雄 訳 |
| 親友のいいなずけロッテに対するウェルテルのひたむきな愛とその破局を描いたこの書簡体小説には,若きゲーテが味わった青春の情感と陶酔,不安と絶望が類まれな抒情の言葉をもって吐露されている.晩年,詩人は「もし生涯に『ウェルテル』が自分のために書かれたと感じるような時期がないなら,その人は不幸だ」と語った.
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アドルフ
コンスタン/大塚 幸男 訳 |
| 『アドルフ』は特異な恋愛小説だ.発端の一章は別として,続く二章だけが恋と誘惑に当てられ,残る七章はすべて男が恋を獲た後の倦怠と,断とうとして断ち切れぬ恋の軛の下でのもがきとを描いている.つまり,物語は恋の成就に始り,人生の花が一つ一つ花弁を引きむしられ,精細に解剖されるのである.近代心理小説の先駆をなす作. |
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ベートーヴェンの生涯
ロマン・ロラン/片山 敏彦 訳 |
| 少年時代からベートーヴェンの音楽を生活の友とし,その生き方を自らの生の戦いの中で支えとしてきたロマン・ロラン(一八六六―一九四四)によるベートーヴェン賛歌.二十世紀の初頭にあって,来るべき大戦の予感の中で,自らの理想精神が抑圧されているのを感じていた世代にとってもまた,彼の音楽は解放のことばであった. |
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ラサリーリョ・デ・トルメスの生涯
会田 由 訳 |
| 少年ラーサロが,悪知恵にたけた盲人や欲深坊主,貧乏なくせに気位は高い従士やいんちき免罪符売りなど,次々に主人をわたり歩いてはなめるさんざんな苦労の数々.十六世紀当時のスペインの社会や下層民の生活が風刺鋭く,簡潔な描写で赤裸々に写しだされてゆく.ピカレスク小説をヨーロッパに流行させるさきがけとなった傑作. |
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