社会の階層化が進んでいる。また、進む方向で政治は動いている。平常時にはなんとかやりくりできたとしても、「万一」のことがあった場合、その被害もまた、しわよせられて押し寄せる。
社会調査によって、災害後に、災害前の暮らしに戻れるかどうか、の分岐点は、どうやら災害前総資産5000万円が境目になると判明した。日本社会のほぼ七割は、このボーダーラインの下に位置している。そして災害は「万一」ではなく必ずやってくる。われわれは、その意味をどう考えるか。こうさか・けんじ 関西学院大学社会学部教授。理論社会学・数理社会学。著書に『社会学におけるフォーマル・セオリー』(ハーベスト社)、編著に『講座 社会学』(東京大学出版会)、『日本の階層システム』(東京大学出版会)など多数。