改正入管法が今国会で成立した。16歳以上の来日外国人750万人の顔写真と指紋を採るという、それ自体大変な内容で、人権侵害であるという反対の声ももともとあった法案だが、さらに法案審議の終盤になって入管システムの受注をめぐる新しい事実が次々と判明し、共謀罪とも一体となった、監視社会化へ向かう大きな流れが見えてきた。
改正入管法の成立により、日米の入管が統合運用される恐れが出てきただけではない。住基ネット以来の流れを見ると、アメリカと日本が完全に統合されたシステムの中で、公が持っている国民一人ひとりの情報が住基ネットのID番号で整理され、一挙手一投足が管理される、そしてそれは共謀罪や全面的な盗聴システムとも完全に連動するという、「監視国家」への道筋が見えてくる。それは、SFではない、すぐそこまで来ている道なのだろうか。
国会の法案審議で八面六臂の活躍をし、改正入管法に関しては、アクセンチュア社という無国籍企業の入管システム受注をめぐる問題を提起した衆議院議員の保坂展人氏、弁護士の立場から共謀罪の危険性にいち早く注目、ねばりづよく共謀罪阻止の運動をつづけてきた海渡雄一氏、住基ネットの危険性と日本の監視国家化に警鐘を鳴らし続けてきたジャーナリストの斎藤貴男氏。危機感を共有する3人による緊急座談会。かいど・ゆういち 1955年生まれ。1981年弁護士登録。第二東京弁護士会所属。日弁連刑事拘禁制度改革実現本部、国際刑事立法対策委員会委員。著書に『監獄と人権 2』、『危ないぞ! 共謀罪』(共著) など。
さいとう・たかお 1958年生まれ。ジャーナリスト。日本工業新聞、週刊文春記者などを経てフリーになる。著書に『機会不平等』『安心のファシズム』『空疎な小皇帝』『ルポ 改憲潮流』、『超監視社会と自由』(共著) など。
ほさか・のぶと 1955年生まれ。1996年から3期8年、衆議院議員として本会議等で質問に立つこと380回を超えた。2005年総選挙で議員に復帰。著書に『年金を問う』、『佐世保事件からわたしたちが考えたこと』(共著) など。