フクシマ・クライシスは、エネルギー政策を「是正する」ユニークなチャンスととらえることもできる。ドイツは、メルケル首相のリーダーシップの下で、再生可能エネルギー技術導入に基づく原子力の段階的廃止というもっとも目覚しい決定を行った。痛ましいショックを受けはしたが、ユニークな技術的能力と社会的規律を有する日本は、真に持続可能で、低炭素で、そして、原発のないエネルギー政策に向けた本物のパラダイム・シフトの最先端に立つことができるのか。3.11以後の世界の原子力政策と再生可能エネルギー事情を俯瞰し、再生可能エネルギーに基づく経済への転換を成功させるために取り組まなければならない課題についても、具体的に提言する。Mycle Schneider 1983年、WISE-Paris (エネルギー情報調査室) を設立。2003年まで代表。現在、Mycle Schneider Consulting (エネルギーと原子力政策に関する独立コンサルタント機関) の代表を務める。ドイツ連邦環境・自然保護・原子炉安全省の委託研究、「世界の原子力産業現状報告──経済性問題に焦点」を担当 (2009年8月)。1997年以来、フランス及びドイツの環境省、ベルギーのエネルギー大臣、IAEA (国際原子力機関)、グリーンピース、核戦争防止国際医師会議、WWF、EC委員会等の依頼によって、原子力とエネルギー問題に関する研究・調査報告を提出している。1997年、高木仁三郎氏と共に、「もうひとつのノーベル賞」といわれるライト・ライブリフッド賞を受賞。本誌2011年1月号所収の論文「原子力のたそがれ──米・仏・独のエネルギー政策分析から浮かび上がる再生可能エネルギーの優位性」は、ホームページ上でPDFファイルを無料公開中 (http://www.iwanami.co.jp/sekai/2011/01/directory.html)。<
たくぼ・まさふみ 「核情報」主宰。