岩波ブックレット 951

〈愛国心〉に気をつけろ!

「愛国運動」に身を投じてきた著者が,〈愛国心〉が煽られながら排外主義が横行する日本の政治・社会に,覚悟をもって警鐘を鳴らす.

〈愛国心〉に気をつけろ!
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著者 鈴木 邦男
通し番号 951
ジャンル 書籍 > 岩波ブックレット > 政治
シリーズ 岩波ブックレット
刊行日 2016/06/03
ISBN 9784002709512
Cコード 0336
体裁 A5 ・ 並製 ・ 72頁
定価 本体580円+税
在庫 在庫あり
〈愛国心〉を強調する安倍政権のもと,体制への批判は「反日」と攻撃され,人種差別や排外主義も横行している.しかし,こうした風潮こそ,日本の価値を貶めているのではないか.長年にわたり「愛国運動」に身を投じてきた著者が,自らの体験を振り返りながら,〈愛国心〉が煽られる日本社会に覚悟をもって警鐘を鳴らす.

■編集部からのメッセージ

長年にわたり「愛国運動」に身を投じてきた鈴木邦男さん.大学生のときは,「生長の家」学生道場に入り,民族派学生組織・全国学生自治会連絡協議会(全国学協)の初代委員長を務めるなどしました.大学卒業後は一水会を立ち上げるなど,その活動は広く知られるところです.
そんな鈴木さんは,現在,安倍政権が主導している改憲の動きに強く異を唱えています.「自由のない自主憲法よりも,自由のある押しつけ憲法を」というのが,鈴木さんの持論です.自主憲法制定は,自民党結党以来の党是でもあります.GHQにより「押しつけられた」憲法ではなく,日本にふさわしい独自の憲法を――.そして,いま安倍政権のもと,改憲の動きが強まっています.しかし,自民党の改憲草案などで見えてくるのは,国民の自由を制限し,国民はこうあるべき,といった国民を縛るような姿勢ばかりです.ならば,為政者を縛り,国民の自由を保障する現在の「押しつけ憲法」のほうが優れている.理想のない「自主憲法」によって,この国で暮らす人たちの自由を奪うな! そう鈴木さんは考主張します.
「愛国運動」に取り組んできた鈴木さんが,なぜそのような立場になったのか? 本書では,鈴木さんが自らの体験を振り返りながら,その思考の軌跡を語ります.そして,〈愛国心〉が煽られる現在の政治や社会のあり方,〈愛国心〉が叫ばれながら排外主義が横行する現代へ,覚悟をもって警鐘を鳴らします.それは,むしろ「愛国運動」に真剣に取り組んできた鈴木さんだからこその姿勢であると,本書を読めば,理解できると思います.
(編集部・田中宏幸)
第1章 美しいが,毒ももつ〈愛国心〉
第2章 スローガン化した政治の危うさ
第3章 自由のない自主憲法か,自由のある押しつけ憲法か
第4章 〈愛国心〉が汚れた義務となるとき
鈴木邦男(すずき・くにお)
1943年福島県郡山市生まれ.政治活動家.元「一水会」顧問.早稲田大学政治経済学部卒業.学生時代は「生長の家」学生会全国総連合(生学連)に所属し書記長として活躍し,その後,全国学生自治体連絡協議会(全国学協)委員長を務めた.1972年に「一水会」を創設.著書に『腹腹時計と〈狼〉』(三一新書),『公安警察の手口』『右翼は言論の敵か』(ちくま新書),『増補 失敗の愛国心』(イーストプレス),『新右翼〈最終章〉〔新改訂増補版〕』(彩流社),『反逆の作法』(河出書房新社),『愛国者の憂鬱』(坂本龍一との共著,金曜日)など多数.

書評情報

週刊金曜日 2016年9月9日号(1103号)
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