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鳥獣害 動物たちと,どう向きあうか

クマ,シカ,サル等による鳥獣害が急増し,近年は都市部にも現れる.その原因と各地での対策がどうなっているのかを考察.

鳥獣害 動物たちと,どう向きあうか
著者 祖田 修
通し番号 新赤版 1618
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 社会
刊行日 2016/08/19
ISBN 9784004316183
Cコード 0236
体裁 新書 ・ 並製 ・ 228頁
在庫 在庫あり

クマ,シカ,サルなどによる鳥獣害が急増している.田畑を荒らして経済的な損失を与え,時には人を襲うことも.近年は都市部にも現れる.なぜ増えたのか.各地の対策は.農業経済の研究者が,自ら田畑を耕すなかで考察する.

はじめに

第1章 田園回帰のなかの鳥獣たち──害獣化する野生
 1 愛しい鳥獣たち
 2 憎らしい鳥獣たち

第2章 街なかを闊歩する野生鳥獣
 1 神戸市街を行くイノシシたち
 2 クマの出没と人身被害──ヒグマとツキノワグマ
 3 鉄道運行を妨げるシカやイノシシ

第3章 農村に跳梁する野生
 1 拡大する鳥獣害
 2 「害獣の価値」論の登場

第4章 鳥獣との闘いと苦悩──全国初の捕獲補助金交付の町
 1 モデル農業が獣害により破綻
 2 サル、イノシシとの対決

第5章 人と動物の共存への模索   ──各地域での実践
 1 鳥獣害対策から村づくりへ──岐阜県宮地地区
 2 サルの行動様式の調査と対応──滋賀県湖北地域
 3 エゾシカの急増と、共存への模索──北海道網走地域
 4 鳥獣害への国の政策

第6章 人は動物たちと、どう向きあってきたか
 1 動物は人間のためにある──西洋の鳥獣観
 2 人も動植物もみな同じ──東洋と日本の鳥獣観
 3 植物をどう位置づけるか

第7章 庶民の食の変容と動物たち
 1 庶民の暮らしと動物たち──近世「農書」にみる
 2 飢饉の歴史と様相
 3 飢餓と殺生戒のはざま
 4 「米と魚」から「パンと肉」の国へ

第8章 新たな動物観への展望
 1 もう一つの肉食としてのジビエ利用
 2 東西の動物観の展開過程と統合
 3 新たな動物観への原点

第9章 人と動物、共存の場所──形成均衡の世界へ
 1 二つの自然像に学ぶ──動物どうしの関係
 2 形成均衡の場所へ──人間と動物の関係
 3 保護・管理の方向と限界
 4 「人間と動物」から「人間と自然」へ──共棲の場所は守れるか

主要参考文献
祖田 修 (そだ おさむ)
1939年島根県生まれ.京都大学農学部農林経済学科卒業.農学博士.農林省経済局,龍谷大学経済学部助教授,京都大学大学院農学研究科教授,放送大学客員教授,福井県立大学経済・経営学部教授,福井県立大学学長などを務める.
専門は,農学原論,地域経済論.
現在,京都大学名誉教授,福井県立大学名誉教授.
主な著書に『コメを考える』(岩波新書),『農学原論』(岩波書店),同(中国語・英語版),『近代農業思想史』(岩波書店),同(中国語版),『日本の米』『市民農園のすすめ』(岩波ブックレット),『地方産業の思想と運動』(ミネルヴァ書房),『都市と農村の結合』(大明堂),『食の危機と農の再生』(三和書籍)がある.

書評情報

経営実務 2017年2月号
水産北海道 2016年11月号
西日本新聞 2016年10月30日
朝日新聞(朝刊) 2016年10月2日

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