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岩波科学ライブラリー

「あっ,忘れてた」はなぜ起こる

心理学と脳科学からせまる

人はどうして「しようと思っていたこと」を「タイミングよく」思い出せるのか.そのメカニズムを探る.

「あっ,忘れてた」はなぜ起こる
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著者 梅田 聡
通し番号 133
ジャンル 書籍 > 自然科学書 > 岩波科学ライブラリー
書籍 > 岩波科学ライブラリー > 人間・心理
シリーズ 岩波科学ライブラリー
刊行日 2007/07/06
ISBN 9784000074735
Cコード 0311
体裁 B6 ・ 並製 ・ カバー ・ 110頁
在庫 品切れ
行きがけに手紙をポストに投函しようと思っていたのに,すっかり忘れていた──こんな経験は誰にでもあるだろう.なぜ人はそのような失敗をするのか.裏を返せば,どうして「しようと思っていたこと」を「タイミングよく」思い出せるのか.日常的な記憶経験を出発点に,心理学と脳科学の成果から,そのメカニズムを探る.
はじめに

1 いろいろなうっかりミス
 し忘れ――「あっ,忘れてた!」
 し間違い――「あっ,しまった!」
 大事故につながることもある「し間違い」
 ど忘れ――「知っているはずなのに思い出せない!」

2 「し忘れ」とは何か
 展望記憶
 人間関係にとって大切な記憶
 意図の存在が生む緊張
 肝心なのは思い出すタイミング
 年をとっても衰えない記憶
 スキル化された記憶

3 「し忘れ」を実験的に再現する
 失敗の分析の難しさ
 並列型課題
 年齢差が見られなかった理由
 人工的な課題で記憶の失敗を再現できているのか
 物語置換課題
 並列型課題のさらなる難点
 存在想起と内容想起
 ミニデー課題――存在想起と内容想起を区別する
 時刻に対する敏感さ
 子どもの発達と展望記憶

4 「し忘れ」を生み出す脳
 認知神経科学によるアプローチ
 記憶の障害――健忘症と認知症
 健康な「し忘れ」と病的な「し忘れ」
 内容想起の脳内メカニズム
 存在想起の脳内メカニズム
 存在想起と検索モード
 意識する前に違いに気づく脳
 記憶障害に対するリハビリテーション
 失われた展望記憶能力は回復するか

5 「し忘れ」を防ぐ
 自らを知る――セルフモニタリングの重要性
 実行の時刻を特定する
 意図として認識する
 環境を整備する

おわりに――「想起の瞬間」を求めて
梅田 聡(うめだ さとし)
1968年千葉県生まれ.1998年慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了.博士(心理学).現在,慶應義塾大学文学部心理学専攻准教授.主な研究分野は,認知神経科学.記憶の神経メカニズムについての研究を進めるとともに,情動や社会性の実現に「脳・心・身体」がどのように関与しているかを探っている.著書に『し忘れの脳内メカニズム』(北大路書房),『境界知のダイナミズム』(共著,岩波書店)などがある.

書評情報

スミセイベストブック 2007年12月号
りんくる 2007年11月号
hitoiki 2007年9月号
週刊朝日 2007年8月31日号
しんぶん赤旗 2007年8月19日
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