自然科学書
岩波科学ライブラリー
岩波科学ライブラリー 256

ゾンビ・パラサイト

ホストを操る寄生生物たち

ひょっとしたらあなたもパラサイトに操られているかも?

ゾンビ・パラサイト
このエントリーをはてなブックマークに追加
著者 小澤 祥司
通し番号 256
ジャンル 書籍 > 自然科学書 > 岩波科学ライブラリー
書籍 > 岩波科学ライブラリー > 生態・環境
シリーズ 岩波科学ライブラリー
刊行日 2016/12/06
ISBN 9784000296564
Cコード 0345
体裁 B6 ・ 並製 ・ カバー ・ 112頁
在庫 在庫あり

ホスト(宿主)の体を棲み処とするパラサイト(寄生生物)は,生存の根幹をホストに依存する弱々しい存在だ.そんな彼らの中に,自分や子孫の生存にとって有利になるように,ホストの行動を操るものが進化してきた.ホストをゾンビ化して操る能力をもったパラサイトたちの精妙な生態を紹介.あなたもパラサイトに操られているかも?

 

■内容紹介

 自然界はパラサイト(寄生生物)に満ちている.ホスト(宿主)の体を棲み処とするパラサイトは,栄養摂取・移動・生殖といった生存の根幹をホストに依存する弱々しい存在だ.そんな弱々しい彼らの中に,自分や子孫の生存にとって有利になるように,ホストの行動を操るものが進化してきた.
 ホストをゾンビ化して操る能力,パラサイト・マニピュレーションは,原生生物から菌類,線虫,昆虫にいたる幅広いパラサイトに見られ,操られる側のホストもさまざま.私たち人間の行動に影響を与えているらしいパラサイトさえ見つかっている.
 パラサイト,ましてやホストを操るパラサイトなど,不気味と感じる向きも多いだろう.しかし,それらもまた進化によって生み出された自然の一部であり,生態系のなかでの役割も解明されてきている.
 雑誌『科学』の好評連載「パラサイトの惑星」より,パラサイト・マニピュレーションにかかわる話題を中心に再構成してお届けする一冊.

第1章 ゾンビアリは真昼に死ぬ――菌類と動物の攻防
物語の中の寄生キノコ/中世の麦角中毒/冬虫夏草=昆虫寄生菌/ゾンビアリの最期の一噛み/菌・植物・昆虫の共進化/菌類とアルツハイマー病

第2章 カマドウマの入水自殺・カワムツの奇行――パラサイトがつなぐ生態系
ハラビロカマキリの行列/ナゾの多いハリガネムシ/河川生態系機能を改変/ハリガネムシがホストを操るしくみ/カワムツの行動を変える吸虫/脳内神経伝達作用の攪乱

第3章 体の中の“エイリアン”――ホストをゾンビ化する捕食寄生者
ミツバチはなぜ消えるのか/セイヨウミツバチのパラサイト/ミツバチに新たな脅威――ゾンビ蠅/ホストを食い尽くす「捕食寄生」/ホストと捕食寄生者をめぐる複雑な関係/ウイルスによるホスト免疫系の乗っ取り/ゾンビ化したホストをボディーガードに/クモをゾンビ化するクモヒメバチ

第4章 人はパラサイトに操られるのか――原生生物トキソプラズマとネコと人類
農耕の始まりとネコの拡散/人類の3割が感染するパラサイト/ネコを恐れないネズミ/トキソプラズマと精神疾患/原因はドーパミンか?/トキソプラズマの3系統とその広がり
小澤祥司(おざわ しょうじ)
環境ジャーナリスト.1956年静岡県生まれ.東京大学農学部卒業.主に生物多様性,再生可能エネルギー,持続可能な社会をテーマに執筆活動.以前から福島県飯舘村の村づくりに関わってきたことから,福島原発事故直後から村の放射能汚染調査,村民支援活動に取り組む.飯舘村放射能エコロジー研究会共同世話人.
著書に『メダカが消える日』 『エネルギーを選びなおす』 『「水素社会」はなぜ問題か』 『電力自由化で何が変わるか』(以上,岩波書店),『飯舘村 6000人が美しい村を追われた』(七つ森書館),『減電社会』(講談社)などがある.

書評情報

日経サイエンス 2017年3月号
公明新聞 2017年1月16日
ページトップへ戻る