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術語集

―気になることば

術語集
著者 中村 雄二郎
通し番号 黄版 276
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 言語
刊行日 1984/09/20
ISBN 9784004202769
Cコード 0210
体裁 新書 ・ 並製 ・ カバー ・ 238頁
在庫 在庫あり
現実や世界を読み解いていくためのキー・ワード=術語.現在の〈知の組みかえ〉の時代にあって,著者は,記号,コスモロジー,パラダイム等,さまざまな知の領域で使われている代表的な四○の術語と関連語について,概念の明晰化を試みながらそれを表現の場で生かそうとする.現代思想の本質が把握できる,〈気になることば〉の私家版辞典.
術語──知の仕掛けとしての

1 アイデンティティ──存在証明/自同律/相補的アイデンティティ

2 遊び──真面目/演劇/祝祭

3 アナロギア──アイデンティティ拡散/性自認/免疫

4 暗黙知──パタン認識/棲み込み/共通感覚

5 異常──正常/理性・狂気/根源的自然

6 エロス──タナトス/セックス/ジェンダー

7 エントロピー──永久機関/ネゲントロピー/開放定常系

8 仮面──霊力/神話的形象/素顔

9 記号──フェティシズム/シンボル/隠喩・換喩

10 狂気──譲渡/疎外/監禁

11 共同主観──相互主観性/間身体性/共同幻想

12 劇場国家──ヌガラ/模範的な中心/中空構造

13 交換──交通/象徴交換/過剰

14 構造論──イメージ的全体性/弁証法/言述の論理

15 コスモロジー──ブラック・ホール/存在の大いなる連鎖/現実との生命的接触

16 子供──深層的人間/小さい大人/異文化

17 コモン・センス──常識/共通感覚/共感覚

18 差異──同一性/反復/差別

19 女性原理──阿闍世コンプレックス/母権制/グレート・マザー

20 身体──歴史的身体/社会的身体/精神としての身体

21 神話──箱庭療法/原初の時との接触/ブリコラージュ

22 スケープ・ゴート──王殺し/中心と周縁/ヴァルネラビリティ

23 制度──第二の自然/見えない制度/リゾーム

24 聖なるもの──宇宙樹/聖・俗・穢/自然

25 ダブル・バインド──小さな哲学者/象徴的相互行為/禅の公案

26 通過儀礼──死と再生/永遠の少年/リミナリティ

27 道化──はじまりの不在/ヘルメス/反対の一致

28 都市──メディオ・コスモス/深層都市/脱形而上学

29 トポス──土地の精霊/決まり文句/場所の論理

30 パトス──パトロギー/イデオロギー/情動・情念・感情

31 パフォーマンス──コンピテンス/パトス的行動/演劇的知

32 パラダイム──理論負荷性/共約不可能性/学問母型

33 プラクシス──クオリティ/パフォーマンス/動的な感覚

34 分裂病──うつ病/アンテ・フェストゥムとポスト・フェストゥム/反エディプス

35 弁証法──問答法/論証法/絶対弁証法

36 暴力──供犠/法体系/呪われた部分

37 病い──健康幻想/特定病因説/痛みの抹殺

38 臨床の知──科学の知/パトスの知/生きられる経験

39 レトリック──パイデイアー/政治的動物/レトリックの知

40 ロゴス中心主義──反哲学/脱構築(ディコンストラクション)/天皇制

文献

あとがき

人名キーワード・辞項キーワード
中村雄二郎(なかむらゆうじろう)
 1925年東京に生まれる
 1950年東京大学文学部卒業.哲学者・明治大学名誉教授
 主要著書―『パスカルとその時代』(東京大学出版会)
    『哲学の現在』(岩波新書)
    『共通感覚論』(岩波書店)
    『西田幾多郎』(同)
    『術語集Ⅱ』(岩波新書)
    『臨床の知とは何か』(同)
    『正念場―不易と流行の間で―』(同)
    『悪の哲学ノート』(岩波書店)
    『述語的世界と制度──場所の論理の彼方へ』(同)
    『日本文化における悪と罪』(新潮社)

書評情報

毎日新聞(朝刊) 2003年5月4日

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