山川静夫の文楽思い出ばなし

半世紀にもわたり,太夫・三味線・人形遣いなど,文楽の人々と交流を重ねてきた著者.魅力あふれるその素顔を綴ったエッセイ集.

山川静夫の文楽思い出ばなし
著者 山川 静夫
ジャンル 書籍 > 単行本 > 評論・エッセイ
刊行日 2017/08/23
ISBN 9784000612128
Cコード 0076
体裁 四六 ・ 上製 ・ カバー ・ 168頁
定価 1,870円
在庫 在庫あり
若き日にNHK大阪放送局に勤務となって,文楽の奥深さを知り,そのとりこになったと語る著者.以来,太夫・三味線・人形遣いなど,文楽にたずさわる多くの人々と交流を重ねてきた.厳しい稽古を経て,初めて培われる珠玉の芸,優れた人間性――伝説の名人・名手の素顔を,著者ならではの語りかけるような文体で綴る.
嘉肴あり――文楽との幸運な出会い……………因会・三和会
「舞台も最後は"まこと"なのだ」……………四世竹本津太夫
新たな息吹をもたらした天衣無縫のひと……………二世桐竹紋十郎
聴き入る人々の胸をえぐる最後の浄瑠璃……………豊竹山城少掾(二世古靱太夫)
「近いうちに"お鯛さん"食べに行きましょ」……………八世竹本綱太夫・その一
親心あふれる思い出の「菊畑」……………八世竹本綱太夫・その二
「明日を考えず"今日一番"を大切に」……………四世竹本越路太夫
「天皇様に会うてきましたんや」……………吉田兵次
ファンを魅了しつくした「文楽の男」……………初世吉田玉男
「どんな役でも大事に遣え」……………二世桐竹勘十郎
「三味線弾きは、太夫のクセを読み切って」……………六世鶴澤寛治
「人生って、悔しいことの連続と違いまっか」……………十世竹澤彌七
芸名いろいろ、役づくりいろいろ……………四世桐竹亀松
人形遣いの"影の力"人形師、床山……………菱田宏治(人形師)・名越昭司(床山)
天性の美声を開花させた厳しい稽古……………三世竹本春子太夫
「人間、最後の勝負は人間性でんなあ」……………竹本住太夫
師恩を強く感じつつ語った「近松物」……………九世竹本源太夫
「譜章」から浮かんでくる師匠の面影……………野澤松之輔
文楽を知る上のバイブル『文楽之研究』……………三宅周太郎(演劇評論家)
縁あって文楽に入り、やがて名人へ……………二世吉田玉男
二世紋十郎から託されたお染の人形……………鷲見房子(浄瑠璃作家)
したらいかんこと、せないかんこと……………四世鶴澤重造・九世野澤吉兵衛
休座の後に辿りついた「情」のある語り……………豊竹嶋太夫
八十歳になっても十八歳を語れる役得……………三世竹本相生太夫
五十年かけて"文楽のメッカ"に定着……………国立小劇場
忘れじの『仮名手本忠臣蔵』「七段目」……………仮名手本忠臣蔵
太夫苦闘の『藝阿呆』に泣く……………三世竹本大隅太夫

あとがき
山川静夫(やまかわ しずお)
1933(昭和8)年静岡市生まれ.國學院大學文学部卒業後,NHK入局.1968年より東京アナウンス室に配属.「ひるのプレゼント」「ウルトラアイ」など人気番組の司会を担当.紅白歌合戦司会を通算13回務めるなど,NHKの顔として活躍した.専務理事待遇特別主幹を経て1994(平成6)年定年退職.現在は,エッセイストとして講演・執筆・評論などで幅広く活躍している.1990年,日本エッセイスト・クラブ賞受賞.主な著書に,『綱大夫四季』『歌右衛門の疎開』(以上,岩波現代文庫),『歌右衛門の六十年―ひとつの昭和歌舞伎史』(共著,岩波新書),『歌舞伎の愉しみ方』(岩波新書),『文楽の男―吉田玉男の世界』『文楽の女―吉田簑助の世界』(以上共著,淡交社)など多数.

書評情報

朝日新聞(朝刊・折々のことば) 2018年1月15日
毎日新聞(朝刊) 2017年11月12日
河北新報 2017年11月5日
徳島新聞 2017年10月29日
サンデー毎日 2017年10月8日号
デーリー東北 2017年10月8日
朝日新聞(朝刊) 2017年9月10日
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